【フローニンゲン(オランダ)=エリーヌ・スウェーブルス通信員】トウェンテFW中村敬斗(19)がデビュー戦となった開幕戦に続き、2戦目もゴールを奪った。

アウェーでMF堂安律とDF板倉滉が所属するフローニンゲン戦の後半10分に自身で得たFKを直接決め、欧州主要リーグで日本人初となるデビューから2試合連発弾を記録し、3-1の勝利に貢献した。堂安はトップ下でフル出場して今季初得点を記録。板倉も開幕から2試合連続となるフル出場を果たした。

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中村が3日のPSV戦に続き、衝撃を与えた。ペナルティーエリア外左からFK。短い助走から右足で蹴ったボールが、壁の上を通過してゴール左下に吸い込まれた。「感触もよかった。縦回転かけて落とすイメージでした」。納得のFK弾は、欧州主要リーグで日本人が誰もできなかったデビューからの2戦連続ゴール。両手を下から上に挙げて、アウェーまで詰めかけたサポーターをあおった。

またしても同じ位置からのゴールだった。「カットインしてからのシュートは自分の得意な形」。PSV戦では左サイドから中へドリブルで持ち込み得意な形を作ると、右足でゴール右に決めていた。今度はFK弾。流れからとセットプレーでは違いがあるものの「今日のFKも角度的には(左)45度」と自信のある位置から、相手GKが見送ることしかできない完璧なシュートだった。

すんなりとチームに溶け込んでいる。「英語が分からない」と完璧な意思疎通が取れていない中でも「初日からガンガン話しかけています」と積極的にコミュニケーションを取った。すでに「チームの中心選手と仲良くなりました」と話す。19歳の新加入選手だが、FKを任せられ、ゴール後にはチームメートが7人も祝福に駆け寄ってきた。初の海外移籍の際に言葉の壁で孤立する選手もいるが、そんな不安は最初から存在しなかった。

東京オリンピック(五輪)の夢舞台へ、森保監督に対する強烈なメッセージとなった。「海外にフィットできたのがよかった。それが2試合連続(得点)につながった」。初の海外でも物おじするどころか、自然体で臨んでいる。「偉大な先輩」と話す堂安とともに1年後に“日の丸”を背負って戦うチャンスを、大きくたぐり寄せる最高のスタートとなった。

◆中村敬斗(なかむら・けいと)2000年(平12)7月28日、千葉県我孫子市生まれ。高野山スポーツ少年団でサッカーを始め、柏U-12に所属。中学からは三菱養和ユースでプレーした。17年12月にG大阪と仮契約し、18年から入団。同年2月24日、名古屋との開幕戦に途中出場してデビュー。3月14日のルヴァン杯浦和戦でプロ初得点を記録。U-15から年代別の日本代表に選出。180センチ、75キロ。