9月2日の移籍市場閉鎖まで2週間に迫り、バルセロナはパリサンジェルマン所属のブラジル代表FWネイマール(27)を獲得するため、最後となる正式なオファーを出すことを決定したと、20日付のスペイン紙マルカが報じている。

バルセロナは19日、バルトメウ会長を筆頭としたクラブ上層部の会談を開き、ネイマールを獲得するために買い取りオプション付きの期限付き移籍という形でオファーを正式にパリサンジェルマンに出すことを決断したという。

期限付き移籍の理由は、今夏にグリーズマン、デヨング、ネト、フィルポの4人に総額約2億5000万ユーロ(約300億円)を費やしたことで、ネイマール獲得に必要な現金がないためだと報じた。

バルセロナの当初の考えは自分たちの選手をトレード要員として“ネイマール・オペレーション”に含めることだった。しかし、どの選手たちもパリ行きを希望せずに実現しなかった。中でもパリサンジェルマンが気に入っていたコウチーニョはトレードで移籍することを拒み、最終的に買い取りオプション付きの期限付き移籍でBミュンヘン行きを選んでいる。クラブにとって1億ユーロ(約120億円)以上の価値があるコウチーニョの売却は重要なものだったが、交渉に含むことができなくなった。

また、パリ行きを拒否したのはコウチーニョだけではない。ラキティッチも信頼を置かれているバルベルデ監督の下でプレーを継続することを希望しており、ウムティティやセメドにも退団話も出ていたが、ラキティッチ同様にクラブを離れることを望まなかった。そのため、ネイマールと同じポジションでプレーできるデンベレが唯一、交渉に含まれる可能性があったが、1億5000万ユーロ(約180億円)を下回ることがないネイマールの移籍金をカバーするのには物足りず、パリサンジェルマンも現金での放出を希望していた。

クラブはこれら全てのネガティブな要素を考慮し、来年の夏に強制的に獲得できるネイマールの期限付き移籍のオファーを決定した。今後、このオファーを受けたパリサンジェルマンがどのような答えを出すかに注目が集まるだろう。(高橋智行通信員)