サラゴサの日本代表MF香川真司(30)が夢のスペインで初ゴールを決めた。17日(同18日)の開幕テネリフェ戦に続いてトップ下で先発すると、0-0の後半14分に望んだ瞬間が訪れた。

まず相手のFKからのサインプレーをはね返すと、サラゴサがカウンターを発動。縦パスとドリブルで右サイドを破り、香川は横目に見ながら反対の左サイドを駆け上がった。味方4人と相手5人が右サイドに集まった中、香川だけがペナルティーエリア左でフリーになる。手を挙げると、右クロスが届いた。

左足でトラップし、右に持ち出し、右足シュート。これはDFの懸命なスライディングに阻まれたが、こぼれ球への反応が素早かった。自身の左側に転がったボールに合わせて左足を振る。GKの左足先、そしてカバーに入ったDFの股の間を抜き、ゴール右のサイドネットに飛び込んだ。

幼少時から試合映像を見てあこがれ、参考にし、2部だろうが迷うことなく移籍先に選んだスペイン。2戦目にして初得点を挙げると、コーナーポストへ走って倒れ込んだ。あおむけの上に主将のMFロスら仲間が折り重なっていき、笑顔で先制点の喜びを分かち合った。

この日は相手のチームカラーがサラゴサと同じ青基調だったため、上下赤のアウェー用ユニホームで戦った。茶色の丸刈りの背番号23は、4-3-1-2陣形のトップ下に入り、ゴール直前の後半11分にもラストパスさえ出てくればゴールという動きも見せた。後半26分にMFブランコと交代するまで71分間プレー。今月9日に加入したばかりと思わせない出来で、サイドラインをまたいで退く際には、相手サポーターからの激しいブーイングで認められた。

ただ、開幕2連勝は逃した。香川の得点を守って1-0で推移した後半41分、ポンフェラディーナのMFバルカルセに右足で同点ゴールを奪われた。ゴール前に人数はいたものの、密集の中を連係で破られた。そのまま1-1で試合終了。昇格組を相手に、土壇場で引き分けに持ち込まれた。

「1部昇格」の目標へ、勝利を求める香川にとっては喜び半減の結果となったが、それでも記念のスペイン初得点を移籍2戦目にマークしてみせた。次節は30日(日本時間31日)にホームでエルチェと対戦する。