イラン・テヘランで行われる10日のサッカー・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のイラン-カンボジア戦で、イラン人女性の競技場への入場、観戦が認められた。イランは厳格なイスラム体制を取り、競技場での女性のサッカー観戦は一部の例外を除き禁じられてきた。

イスラム教の価値観から競技場など公共の場における男女の同席は好ましくないとの考えが背景にあるが、国際サッカー連盟(FIFA)や人権団体などから女性差別との批判を受け方針を変更した。

会場のアザディ競技場は約10万人を収容する。イランメディアによると、女性には約3500席が割り当てられた。

元日本代表でカンボジアの実質的な監督を務める本田圭佑氏は試合を控え「女性が望む時はいつでも観戦が認められるべきだ。多くの人が否定的なことを言うだろうが、私は(観戦する女性の)勇気をたたえたい」と述べた。インスタグラムに動画を投稿した。

イランでは9月、サッカーファンの女性が男装して競技場に入場しようとして拘束される事件が起きた。女性は禁錮刑となる可能性があると聞かされ、焼身自殺した。事件を受け、イラン国内でも女性の観戦禁止の撤廃を求める声が広がっていた。

保守強硬派を中心に、女性の観戦解禁に反対する声も根強い。保守系紙ケイハンは、穏健派ロウハニ政権は女性の貧困や失業といった問題の解決に失敗しており、社会の目をそらすため女性のサッカー観戦解禁に踏み切ったと批判的に報じた。(共同)