MF長谷部誠(35)、MF鎌田大地(23)が所属するフランクフルトはホームでレーバークーゼンに3-0で勝利した。
長谷部は3バックのセンターでフル出場。無理につながずにシンプルにクリアするシーンが多かった。
前半10分すぎ、ボールを持っていたレーバークーゼンMFデミルバイにチェックにいかなかったFWコスティッチを怒鳴るなど、序盤からチームを統率していく。ロングボールの競り合いでも的確なポジショニングでしっかりとはね返していく。
同11分、右サイドでMFハベルツとの1対1になるが、右足を残してブロック。
後半22分、左サイドからのクロスをかぶりFWアラリオにヘディングシュートを許したが、GKがファインセーブで阻止。
同31分にはハベルツがペナルティーエリア内からシュートに持ち込んだが、コースに入った長谷部がボールに触り、GKがそれをさらに好反応でコーナーへ逃げる。攻撃では試合をコントロールする時間がしっかりと作り、縦ばかりではなく、後ろで落ち着けていた。ベンチスタートだった鎌田は、出場機会がなかった。
長谷部の試合後の一問一答は次の通り。
◇ ◇
-フランクフルトらしい完勝だった
「そうですね、中断前の試合で非常に、少し歯がゆいというか、ホームでね、最後に追い付かれてしまって。その中で中断明けの今日の試合は非常に大事であったし、これからのリーグの相手を考えると、やっぱり今日しっかり勝つことはチームにとって非常に大事だと思っていたので、最終的な結果として、勝ち取ることができて非常に大きかったと思うし。後はやはり、こういうレーバークーゼンのような個々の能力が高いチームに対して、今日もミーティングでも話していた通り、とにかく相手に対してアグレッシブにプレーするという、好きなようにやらせない、本当に戦う姿勢というのはやっぱり今日は見せなきゃいけないというのはチームで話していたんで、それが前半最初から出せて、非常にゲーム内容としても、後半は少し、引きすぎた部分ももちろんあるかもしれないですけど、最終的に勝てて良かったです」
-前半から飛ばしたのはチームとしての姿勢?
「前半から、最初からとにかくいわゆる“ツバイカンプフ(1対1の競り合い)”とかそういうところでしっかり相手に対して行くというのが、今日の絶対的な指示だったので。結局それができなかったので、昨季の後半アウェーで1-6という形で簡単にやられほうだいな形になった。こういう相手にはしっかりアグレッシブにいかないといけないし、そういうものはみんなが出せていたとは思います」
-今日のレーバークーゼンはその点で“ツバイカンプフ”が弱すぎたというところもあったのでは?
「実際、個々の選手をみれば非常にうまい、能力の高い選手そろっているんですけど、そういう激しく来るチームとか、戦ってくるチームに対して苦手にしている部分がやっぱりレーバークーゼンはあるので、それはうちの分析としては、はっきりしていた。それを相手の嫌がることを体現したんじゃないかなと思います」
-中断前に守備の問題点などを口にしていたが、そういった点で今日の試合ではうまく修正できていたと?
「全体的なやっぱりあの守備の意識は高かったと思いますね。今季、少しこの失点数も多かったですし、最後のところでやられているところが多かったので、それをやっぱりみんな、昨日くらいのミーティングでそれは監督もはっきり言って、そこをもっと詰めていかないと駄目だと、だめだ、失点をとにかく減らしていく、というようなことを話していて。そういう意味で今日、みんな守備の意識が高かったかなっていうのも感じたし、こういうふうな、もちろん危ない場面も作られたのは作られたんですけど、守備の意識を高くやって、チャンスは今日もある程度作れていたんで、そういうところで点を決めていけば、いい結果というか、どこが相手でも勝てるんじゃないかって感覚はありますけど」
-相手29番のハベルツ選手とか、どっちかというか天才肌というか、テクニシャン。ああいう攻撃の選手とやるときは、守る側として、速さや高さのある選手と比べて、やりづらさや狙い目は?
「まあ、難しいですけどね、やっぱり、飛び込むとかわされるし、彼はリーチも長いしね、独特のこのタイミングというか、リズムっていうのもね、相手を引き寄せて出すとか、抜くとか、そういう感覚があるんで、簡単には、なかなかいかないですけど、彼もやっぱりこうアグレッシブに激しくくる、相手とかそういう選手に対して苦手としている。それを今日うちのチームがあの、中盤とか、ディフェンダーもそうですけど、そこは体現してくれたと思うんで、そんなに決定的なチャンスは作らせなかったのかと思います」
-今日は簡単に蹴るところは蹴って、あえてつながずに?
「そうですね、今日に関しては相手が結構前からプレッシャーをかけてきていたんで、まあ、自分のところにもすぐにプレッシャーがかかってきていたんで、つなぎすぎると、そこでミスを犯して、カウンターというかね、ショートカウンター食らうっていうのはやっぱり相手の特長でもあるので、それはちょっと避けたいなっていうのも話していたし。相手のディフェンスラインが結構前からくるので、その分、後ろが数的同数とか、うちの前ですか、数的同数とかになっていたんで、一本こう裏に狙ったら、1点目なんかもそうなんですけど、そういうシーンがなかなか結構作れるかなと思っていたんですけど。前半やっていて何本か蹴ったんですけど、FWの選手ちょっと守備で疲れちゃってこう、ハーフタイムにいけないからちょっと待ってくれみたいな話をされたんですけど、ただリードしていたんで、そこまでリスクを冒して、ゲームを後ろから組み立てる感じは、ちょっと避けて今日はやりましたけど」
-リーグ戦では久々の無失点。チームとしても前向きになる要素?
「そうですね、開幕戦以来の無失点なので、そういう意味では、守備の人間としてはやっぱり失点ゼロはうれしいし。もちろんGKもね、今日非常にチームを助けてくれたんで。もっとこうつめていかなきゃいけない、チャンス作られたところをつめていかないといけないというのはあるんですけど、結果としてゼロで抑えられたのは、すごくポジティブなところですね」
-無失点で抑えるというのは今でも個人的にこだわっている?
「まあそうですね。ここ最近ゼロで抑えられるゲームが全然なかったので、そういう意味で言えば、この失点ゼロにこだわってやっていこうという新たなところを、中断中に話し合ったので、それで一発目にね、こうやってゼロで抑えられたのはよかったです」
-それ以外で個人的なこだわりってあったりしますか?
「こだわり、チームがサッカーをするというか、後ろからつないでよりサッカーをするのを今シーズン、心掛けて、心掛けてというか、それを求めて、監督も中盤によりサッカーができる選手をそろえているので。それが後ろのところからの組み立てで、自分のところからよりいい組み立てができるようにというのは、今シーズンは考えているんですけど。もちろん相手の出方とか今日のようなプレッシャーのかかってくる相手とか、そういうところに関してはリスクをおかすところとおかさないところを考えてやっていかないといけないし。そういうゲームをコントロールするというのは自分の中でやらないといけないと思います」
-その感覚の試合の中で磨かれていく?
「もちろん相手の出方によってやり方は変えていく部分があるんですけど。後やっぱり味方の選手がどういう選手が出るかですよね。例えば今日、バス・ドストが出ましたけど、彼が出たらちょっとロングボールで彼に当ててもいいと思うし、中盤が例えば(鎌田)大地が出たら、もっと中盤でサッカーができると思うし。今日なんかは守備的というか、機動力とかそっちで勝負した部分がありましたし。そういう出てる選手によってこう変えてくっていうのは自分の中でやってはいますけどね」
(中野吉之伴通信員)