スペインサッカー連盟会長のルイス・ルビアレス氏が、家族の事情により、6月にスペイン代表監督を辞任したルイスエンリケ氏に対し、来夏、欧州中で開催される欧州選手権の本戦を率いるための監督に復帰するようオファーを出したと、スペイン紙アス(電子版)が18日にスペインサッカー連盟の関係者から得た情報を元に報じた。

同紙によると、ルビアレス氏は18日のルーマニア戦で欧州選手権予選を終えたこのタイミングがルイスエンリケ氏の監督復帰に適していると判断したという。ルイスエンリケ氏は6月に辞任した後、骨肉腫で闘病していた9歳の愛娘を亡くしている。

一方、ルイスエンリケ氏の後を継ぎ、欧州選手権本戦に導いたロベルト・モレーノ監督はルーマニア戦後、代表監督の職を解かれることをすでに知っていたため、通常行われている試合後の記者会見をキャンセルし、メディアの前に姿を見せなかった。同監督は試合後、ロッカールームで選手たちに涙ながらに別れを告げたという。今後、解任による補償金をスペインサッカー連盟に請求するとみられている。

アス紙は今後の予定として、19日にルビアレス会長がロベルト・モレーノ氏の代表監督解任およびルイスエンリケの代表監督復帰を、同日正午に行われる予定の記者会見で発表すると伝えている。

(高橋智行通信員)