E組のザルツブルク(オーストリア)MF南野拓実(24)が、ゲンク(ベルギー)戦で大会通算2点目を決めた。南野は2得点に絡む活躍で4-1の快勝に貢献し、チームも3位で最終戦へ決勝トーナメント進出の望みをつないだ。同僚のMF奥川雅也は後半35分から出場、先発のゲンク伊東純也は後半34分に交代した。F組のバルセロナはホームでドルトムントに3-1で勝ち、1位での突破を決めた。G組のライプチヒもクラブ史上初の16強入りを果たした。

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南野の輝きは増すばかりだ。トップ下で先発すると1-0の前半45分、ペナルティーエリア内右でボールを受けて右足を振り抜いた。相手GKが飛ぶことのできないほど低く、鋭い弾道のシュートがゴール左隅に突き刺さった。第2節リバプール戦に続き今季2得点目となり、欧州CLでの1シーズン複数得点は中村俊輔、本田圭佑、香川真司に続き日本人4人目。24歳10カ月11日での達成は最年少記録となった。「突破に向けて重要な試合でしたし、結果がついてきて良かった」。負けられない試合で、点取り屋としての重責を果たした。

初のW杯予選開幕から4試合連続得点(代表戦は5試合連続)達成した勢いは止まらない。14日のキルギス戦で93年にカズが記録した記録(W杯予選開幕から3試合)を更新した後、続く23日のオーストリア1部のザンクトペルテン戦でも1得点1アシスト。「CLが一番トップレベルの大会。ここでプレーしたいと思ってヨーロッパに来た。僕にとって特別な場所」。中3日の厳しい日程も、高いモチベーションで連続得点を継続させた。

決勝トーナメント進出をかけた最終節は12月10日、ホームで首位のリバプールを迎え撃つ。突破には勝利が絶対条件となるが、1次リーグ第2節では難攻不落と呼ばれる敵地「アンフィールド」で3-4と互角に渡り合い、可能性は十分ある。「僕たちにとって次の試合が決勝戦のつもりで挑まないと」と気合も満点だ。「もちろんボコボコにされる可能性もあるけど、僕らが勝つ可能性もある。それを信じてやっていきたい」。キングカズを超えた南野「帝王」が、昨季欧州王者を引きずり落とす。