リバプールに加入した日本代表のFW南野拓実(24)が5日(日本時間6日)、本拠地アンフィールドでのFA杯3回戦、エバートン戦に先発し、新天地デビューを飾った。3トップ中央で後半25分までプレーした。

無得点に終わったものの、名将ユルゲン・クロップ監督(52)から絶賛された。1-0で勝ち、4回戦進出。次戦は11日(同12日)のプレミアリーグ、トットナム戦(アウェー)。

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先発デビューした南野の交代が告げられると「聖地」アンフィールドの大観衆から、スタンディングオベーションを受けた。背番号18もサポーターへ拍手を返しベンチへ。名将クロップ監督と抱き合った。いきなり先発し、70分間プレー。欧州王者で昨年12月のクラブW杯も制した名門の伝統の赤いユニホームで、心強い応援歌「You’ll Never Walk Alone」で送り出されてのデビュー。「最高ですね。サッカー選手として、これ以上ない最高のスタジアムだと思う」と言った。

前半34分の決定機は頭で合わせきれず、得点なし。それでも、3トップの中央でゼロトップの役割をこなしリズムを作った。熱望し獲得した“愛弟子”にクロップ監督からは「スーパー。傑出していた。我々が求めていた通り、望んでいた通りの選手だ」と大絶賛された。相手のエバートンを率いるのも、名将アンチェロッティ監督。南野が足を踏み入れた日常は、もはや別次元といっていい。

「監督から『いつも通りのプレーをすればいいよ』と言われた。自分がしている通りのプレーをしようと、ゲームに入った」。主力を温存したカップ戦だったが、宿敵とのダービーで攻守の切り替え、球際の攻防も、やはり別次元。それでも「今までやった試合の中で、一番激しかったと思う。(ただ)それがプレミアリーグだと思う。別にびっくりすることはない。普通にプレーできたと思います」と頼もしかった。

そろって温存された、サラー、マネ、フィルミノという世界最高峰の3トップとの定位置争いが待つ。「目に見える結果が必要。チームがやろうとしていることをしっかり理解してプレーすることが、一番重要だと思う」。世界で最も厳しいポジション争いもスタートした。