リバプールに所属する日本代表FW南野拓実(25)がアウェーでのウルバーハンプトン戦に途中出場し、リーグ戦デビューを果たした。5日のFA杯エバートン戦で公式戦デビューをした南野は、負傷したFWマネに代わって前半33分から出場。日本人9人目のプレミアリーグデビューを果たした。チームは2-1で競り勝ち、リーグ戦14連勝を達成。2位マンチェスターCとの勝ち点差を16に広げ、30年ぶりのリーグ優勝へまた前進した。

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思わぬ形でリーグ戦デビューがやってきた。左FWのマネが前半途中に負傷するアクシデントが発生。クロップ監督から呼ばれたのは南野だった。急きょ、出番がやってきた南野は「こういう突然のタイミングでも準備しているのがプロ。いつでも行けるという気持ちだった」。指揮官からアドバイスを受け、さっそうとピッチへ向かった。

そのまま3トップの左に入り、いきなり観客を沸かせた。GKアリソンからのパスを浮かせて、後方から突進してくる相手DFをあざ笑うかのようにかわした。後半からは右サイドでプレー。同15分にはFWサラーからのパスを右足ダイレクトでゴールを狙ったが、相手に当たり初ゴールはお預けとなった。要所で好プレーを見せたが、結果が出なかったこともあり「個人的なパフォーマンスという意味では満足していない」と悔しさをにじませた。

厳しい評価を下した南野とは対照的にクロップ監督は「スーパーだったね。デビュー戦としては特に素晴らしかった。チームにも完璧にとけ込めている。それは本当に良いことだ」と大絶賛だった。クラブ公式サイトで「彼はすぐにふくらはぎを痛めた。ハーフタイムに治療が必要だった」と、南野が痛みを抱えながらプレーしていたことも明かしている。それでも代えることなく後半のピッチへ送り出した。

指揮官の配慮に南野は「監督からの信頼をすごく感じるので、応えたい」。チームの期待に結果で示し、悲願のリーグ優勝へとまい進する構えだ。