ホッフェンハイム-バイエルン・ミュンヘン戦の試合終盤、サポーターの愚行に両チームの選手が試合を放棄した。Bミュンヘンのサポーターが相手の実質的オーナーのホップ氏に対し侮蔑的な横断幕を掲げた。これが発端となり、試合中に監督や選手がサポーターの近くまで行き、怒りをあらわにするなど異様なムードとなった。その後、選手らは敵味方関係なくパス回し。試合終了まで続けて、一部サポーターに対して抗議した。

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試合をぶち壊したのは、6-0で勝っていたBミュンヘンのサポーターだった。相手チームのホップ氏に対して「売春婦の息子」などと、侮辱的な横断幕を掲げた。同氏の資金で、急成長したライバルに対するあてつけとみられる行為。後半20分ごろ、これを見つけた主審が試合を止めた。

Bミュンヘンのフリック監督や選手らもスタンドまで近づき、鬼の形相で自チームのサポーターに猛抗議。いったんは収まったものの、約10分後に再び掲出され2度目の中断。その後は試合終了まで約15分間も、両チームの選手がただただパスを回して“共闘”し猛抗議。実質的な試合放棄。ピッチ上では異様な光景が繰り広げられた。

Bミュンヘンのルンメニゲ最高経営責任者(CEO)は今回の愚行に「私は、ばかげた行為について、とても恥ずかしく思っている。これはサッカー界で最も悪い側面だ。とても醜い部分を見せてしまった」とクラブ公式サイトで怒りをあらわにした。ホップ氏に対し「謝罪をした。だからといって許されることではない」と語った。試合後は両チームの選手や関係者、残ったサポーターから大きな拍手が起きた。