レアル・マドリードのドイツ代表MFトニ・クロース(30)が7日、新型コロナウイルスの影響を受け、さまざまなクラブが行っている選手の給与削減措置について、ドイツのメディア「SWRSPORT」のポッドキャストで次のように苦言を呈した。

「給料値下げは無駄な寄付、もしくはクラブに寄付するようなもの。僕は給料が全額支払われ、おのおのがそれで賢明なことをするのに賛成だ。誰もが必要なところで助けを求められ、それが必要とされる場所がたくさんある」と語り、給与削減がクラブの財源を強化するものになる一方、弱い人々の助けにならないことを主張した。

この発言に対しスペイン紙マルカは「クロースが給料全額を受け取り、その一部を何らかの寄付に割り当てることを望んでいると解釈できるが、クラブには天文学的な給料を受け取る選手だけがいるのではない。芝刈りの責任者や駐車場のセキュリティースタッフ、用具管理者などが給料全額を受け取れるように、クロースのような選手たちが少なく受け取るべきだろう」と見解を述べた。

スペイン国内ではバルセロナやアトレチコ・マドリードなどのクラブが給与削減を発表している一方、Rマドリードは現時点で経済面が安定しているためそれを行っていない。

またクロースは新型コロナウイルスの影響により、リーグ戦が中断されていることについて、「多くのクラブは予定していた収入がなくなっている。それはまた、中断期間がどのくらいになるかによるだろう。例えば、もしサッカーが5月に再開されるなら解決法が見つかるはずだ。一方、もし冬まで中断する必要があれば、いくつかのクラブは破綻するかもしれない」とこのままシーズンが再開されないことを懸念していた。

スペインは今現在も引き続き緊急事態宣言が発令されたままであり、選手たちは自宅待機を強いられている。リーグ再開のめどは立っていない。(高橋智行通信員)