打ち切りか、再開か-。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界のリーグが中断している中、欧州主要リーグでは今後への対応が分かれている。

オランダ・サッカー協会は21日、同国政府が大規模イベントの禁止を9月1日まで延長したことを受け、中断中の今季リーグ戦を打ち切る方針だと発表した。UEFA(欧州サッカー連盟)と協議した上で最終決定する予定で、リーグ戦の再開断念を既に発表している隣国ベルギーに続いた。

一方、フランス・プロリーグは再開を模索。1部、2部リーグを6月17日に再開し、7月25日に終える予定であることを20日に発表している。ただ、現在も国内では大規模な集会などの実施が禁止されており、観客を入れる可能性については政府が今月末に予定されているガイドラインの発表を待ってから判断するとしている。

ドイツのブンデスリーガでは5月9日に再開できる可能性が高まっている。20付の大衆紙ビルト(電子版)が伝えたところによると、バイエルン州のゼーダー州首相が「早ければ5月9日から無観客での開催ならできるかもしれない」と語ったという。

新型コロナウイルスの感染拡大がより深刻なイタリアのセリエAは21日、中断しているリーグ戦を政府が許可した場合は最後まで行うことで全20クラブが合意。ただ、再開時期の見通しは立っていないのが現状。

無期限で中断されているイングランド・プレミアリーグは残りの全日程を消化することが決まっているが、放映権を持つ英スカイスポーツによると、6月8日に再開し、5週間で残りの試合を実施するプランがあるという。

スペイン・リーグは最短で5月28日の再開を目指している。同リーグのテバス会長は「全日程が終了しなければ、スペインのクラブは約10億ユーロ(約1200億円)失う」と語っている。

もちろん、各国それぞれ事情は異なるが、UEFAは21日に加盟55協会が参加したテレビ会議を開き、今季の完了を「強く推奨する」とした上で、来季の主催大会の出場権に関する指針を設け、特例も検討するとの声明を発表した。決定事項は4月23日の理事会後に発表される予定となっている。

これまではシーズン再開を断念すれば、来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)など主催大会への出場資格を認めないなどの「圧力」をかけていたが、その態度を軟化させている。