バルセロナが新型コロナウイルスの影響で延期されている今季の公式戦残り全試合を拒否することを検討していると、スペイン紙スポルト電子版が24日に報じている。

もしシーズンが再開した場合、クラブ理事会は今季の公式戦を戦わないための議論を行う予定であるという。実際、クラブ幹部の1人は「健康が何よりも重要であり、我々は全ての選手がサッカーの試合で感染するリスクを冒してはいけない」とコメントしている。

問題は無観客で試合を行うことではなく、感染のリスクを避けることである。クラブ幹部は練習を調整しながら再開することを歓迎しているが、練習と試合は別物であると考えていると伝えた。

練習場は感染を避けるために必要なあらゆる衛生対策が施されている。だが、飛行機やバスなどの移動、ロッカールームやシャワー室、クラブ外の人々との接触により、感染のリスクを0%に抑えることはできないと見ている。さらに、一部のクラブが選手の新型コロナウイルス検査を拒否しているという事実があるため、ピッチ上で感染する恐れもあることを懸念している。

バルセロナは現時点で決断を下していない。しかし今後、クラブがラ・リーガ(スペインリーグ)とUEFA(欧州サッカー連盟)に申し出る可能性があるこの案に同調するスペインと欧州のクラブが現れると推測されている。

検討しているこの案は、財政面に大きな影響を与えることになるだろう。しかし、もしシーズン再開後、選手や監督、ゲームを行うために必要な人々が感染して再び中断を余儀なくされた場合、はるかに悪い状況になるとスポルト紙は伝えている。

(高橋智行通信員)