死んだはずのサッカー選手が生きていた…。

ドイツ紙ビルトは4日、4年前に交通事故で死去したブンデスリーガ・シャルケのアカデミー出身だったヒナニック・カンバさん(当時29)の生存が確認され、保険金を受け取った元妻が詐欺容疑で捜査されていると報じた。

カンバさんは4年前の16年、母国コンゴで交通事故に見舞われて死去したとされていたが、同紙によると、ドイツのルール地方で33歳の姿が目撃され、現在は電力関連会社で働いているとし「明らかに死んでいない」と伝えた。

18年3月にドイツ・ゲルゼンキルヘンに戻っていたとされる。

当時、カンバさんの元妻が「6ケタの額(10万ユーロ=約1200万円)の生命保険金」を確保するために死亡証明書を準備し、葬儀も済ませていた。この死亡証明書が偽造されたのかは不明。元妻は現在39歳で10歳の息子がいるそうだ。エッセン市のミルク検事総長は「被告人の元妻は詐欺罪で告発されている。しかし彼女は否定している。捜査は続いている」と現状を説明した。

カンバさんは86年に両親とともにコンゴから亡命。両親は05年に強制送還されたが、本人はシャルケの有望選手としてドイツ残留を許可。シャルケでプレーできなかったものの、2部クラブで公式戦にも出場していたという。

死者が生存-という世にも奇妙な物語に、ドイツ国内で大きな話題になっている。