レアル・マドリードが来季、新型コロナウイルスの影響を財政面で受けているため、給与の30%削減を検討していると、スペイン紙アスが10日に報じている。

クラブはすでに今季、選手や幹部などに対して10%の給与削減を実施している。また、来季も多くの収入が失われる可能性が高い。さらなる経費削減が必要となり、選手らへの給与削減も継続される可能性があると伝えた。

来季の給与削減はRマドリードだけではなく、スペインリーグのライバルクラブも同じ状況に直面するとみられている。入場料やマーケティング収入などが多いクラブほど大打撃を受けるためだと伝えた。

Rマドリードの今季の総収入は8億2200万ユーロ(約945億円)と見積もられている。その内訳は、シーズンチケット会員と入場料収入1億6100万ユーロ(約185億円)、親善試合と国際大会収入1億900万ユーロ(約125億円)、テレビ放映権1億8000万ユーロ(約207億円)、マーケティング収入3億7100万ユーロ(約427億円)となっている。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により全てが深刻な状況に陥っている。もし収入が20%減少した場合、1億6500万ユーロ(約190億円)を失うことになる。経費が7億4100万ユーロ(約852億円)と見積もられ、赤字になりかねない大きな問題となる。そのため、来季の経費削減は必須と報じた。

今季トップチームの選手給与は総額2億8300万ユーロ(約325億円)となっている。もし、30%削減した場合、約8500万ユーロ(約97億8000万円)の削減となる。これにBチームのカスティージャやクラブ首脳陣などの給与30%カット分を追加すると、約1億ユーロ(約115億円)の支出を抑えることができるとクラブは見積もっているという。

そして選手の年俸トップはDFセルヒオラモスとFWベールで、手取り1450万ユーロ(約16億7000万円)となっている。3%削減した場合、1000万ユーロ(約11億5000万円)となる。この値下げは欧州の他のビッグクラブにも大きな影響を与えると予測されており、実際にパリサンジェルマンは50%カットを実施することを明らかにしている。

また、来季も大会が無観客開催で行われる場合、クラブは入場料収入を完全に失い、クラブ会員費の5400万ユーロ(約62億1000万円)のみしか得られない。さらに年間300万人が訪れ、2000万ユーロ(約23億円)の収入を得ているスタジアムツアーや、年間2500万ユーロ(約28億8000万円)を売り上げているオフィシャルショップの閉鎖も続き、収入面で大ダメージを受ける。

一方でバルセロナも今季の収入が1億2000万ユーロ(約138億円)~1億4000万ユーロ(約161億円)ほど減少すると見積もっている。来季は各クラブとも選手の給与カットなどを実施し、支出を抑えなければならないと報じた。

(高橋智行通信員)