レアル・マドリードが2021年夏までに新たな3トップの完成を目指す。過去にBBC(ベール、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド)が大成功を収めたが、今度はMHH(エムバペ、ハーランド、アザール)。スペイン紙アスが18日に伝えている。

Rマドリードの歴史には脈々と受け継がれるトリデンテ(三又の矛)の系譜が存在している。80年代はファニート、サンティジャーナ、カニンガム、そしてブトラーニョ、サンティジャーナ、バルダーノ。90年代はラウル、サモラーノ、アマビスカ、そしてラウル、シュケル、ミヤトビッチが3トップを形成した。

続く2000年代初頭のガラクティコ(銀河系)時代はラウル、ロナウド、ジダン(および右サイドにフィーゴ)が非対称な3トップを組み、2000年代後半はラウル、イグアイン、ファン・ニステルローイがプレーした。

そしてベールが入団した2013年、アンチェロッティ監督の手によりBBCが結成され、ジダン監督に引き継がれると、わずか5年間で4度のチャンピオンズリーグ制覇という大偉業を成し遂げた。これに匹敵する成績を収めることは現代のサッカー界においてほぼ不可能と見られている。

そんな中、Rマドリードは新型コロナウイルスの影響を大きく受けながらも、再びの成功を目指し、新たなトリデンテ形成に取り組んでいる。パリサンジェルマンのフランス代表FWエムバペとドルトムントのノルウェー代表ハーランドを獲得し、アザールとともにMHHを結成することが今現在のクラブの夢となっている。

この新たなトリデンテはゴール、スピード、突破力をチームにもたらすだろう。サンティアゴ・ベルナベウのサポーターはエムバペが右サイドを疾風のように動き、アザールが左翼に陣取り、ハーランドが中央で待ち構えるという姿を思い浮かべることになる。

ハーランドはすでに、16日に再開したばかりのブンデスリーガのシャルケ戦でゴールを決めるなど、その実力を証明している。Rマドリードにはその他にベンゼマ、ビニシウス、ロドリゴ、アセンシオといった選手も控えているため、2選手の補強が成功した場合、誰もがうらやむ攻撃陣を形成することになるだろう。

エムバペとハーランドが2021年夏にRマドリードに所属する場合、MHHの平均年齢は24.3歳。これは2013年9月に結成されたBBCの平均年齢25.6歳よりも若い。さらにアザールに代わりビニシウスが入った場合の平均年齢は21.3歳となり、今後10年間はサンティアゴ・ベルナベウのサポーターに数々の夢を与え続けることになるだろう。

今現在の状況として、Rマドリードが狙う2選手のうち、エムバペについては今夏の獲得が非常に難しく、2021年夏まで待たなければならないと伝えられている。

(高橋智行通信員)