スペイン紙アスは今季の同国1部リーグの選手交代を分析し、アトレチコ・マドリードが最も効果を挙げているチームであると20日に伝えている。

新型コロナウイルスの影響で3月から中断しているスペインリーグは6月から再開する予定。長期の活動停止、過密日程、夏の暑さなどが懸念され、交代枠は3から5に増える予定になっている。スタメンの約半分を試合中に変更できる条件の中、各チームともベンチワークが重要になる。

Aマドリードのシメオネ監督はここまで最高の変化を起こす監督になっており、途中出場の選手の活躍で、1部のクラブ最多の勝ち点9を獲得している。これは総獲得勝ち点の20%に相当する。中でもビトロが決めた2得点がチームに勝ち点6をもたらした。また3月にアウェーで行われた欧州チャンピンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2戦のリバプール戦の延長戦で、途中出場のマルコス・ジョレンテが2連続得点を記録し、チームを準々決勝に導いたハイパフォーマンスは記憶に新しいだろう。

ヘタフェのアンヘルはスペイン1部リーグ最高のスーパーサブになっている。これまでリーグ戦で10ゴールを決めているが、そのうち8ゴールを途中出場で記録し、チームに勝ち点7をもたらした。続いてレアル・ソシエダードのイサックは途中出場からの4ゴールを決め、勝ち点6をチームに与えている。

また、ヘタフェは合計9得点(アンヘル8得点、ティモール1得点)で途中出場選手の得点ランキングトップ。続いてバルセロナ、レアル・マドリード、レアル・ソシエダードが8得点で2位。

交代回数に目を向けると、レアル・マドリードのジダン監督はあまり変化を好まないことが分かる。通算交代数は76回(1試合平均2.81回)で1部リーグ最少だった。バルセロナは78回、Aマドリードは79回となっている。一方、久保建英のマジョルカ、ヘタフェ、ベティス、アラベス、セビリア、グラナダは27節全てで交代枠を使い切っている(81回)。

先発出場からの交代回数が最も多い選手はベティスのホアキンで16回。これにヘタフェのホルヘ・モリーナが15回で続いている。これにはともに38歳という高齢が大きく関係しているだろう。

(高橋智行通信員)