スアレスのずる賢さには感心した-。元イタリア代表DFキエリーニ(ユベントス)が自伝を発表し、2014年ワールドカップ(W杯)でウルグアイ代表FWスアレス(バルセロナ=当時リバプール)にかみつかれた珍事件をあらためて振り返っている。

スアレスを恨んでいないとした上で「ずる賢さと少しの悪意は試合の一部。私はそれを不正行為とは呼びません。ライバルに打ち勝つのに必要なことです」と記した。さらに「それ(いわゆるマリーシア)がなければ、スアレスは並の選手になっていたかもしれない」とも付け加えた。

その事件は2014年6月24日、W杯ブラジル大会1次リーグのイタリア-ウルグアイ戦で起きた。0-0の後半34分、スアレスがキエリーニの左肩にかみついた。キエリーニはユニホームをまくり、その歯形を見せてアピールしたが、審判からの処分はなし。ウルグアイは直後の同36分にCKからDFゴディンが決めて先制し、決勝トーナメント進出を決めた。一方のイタリアは1次リーグで敗退した。

スアレスはその2日後、国際サッカー連盟(FIFA)から代表戦9試合の出場停止と、4カ月間の活動停止、10万スイスフラン(約1300万円)の罰金が科せられたが、現在も世界トップクラスのFWとしてゴールを量産し続けている。