レアル・マドリードが今夏、新型コロナウイルスの影響と選手過多のため、新たな補強を行わない方向に進んでいると、スペイン紙マルカが30日に報じている。

Rマドリードは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により財政面で大きな打撃を受けている。今季分の収入減に関しては、選手とクラブ首脳陣の給与カットで対応できる。だが、現時点で9月12日開幕を目指す来季も無観客開催が続くとみられてため、クラブは1億5000万ユーロ(約180億円)の収入を失うと見積もられている。

そのため今夏、選手を買うのではなく売る方に動いているが、状況は簡単ではない。なぜなら他クラブも同様に新型コロナウイルスの影響で財政難に陥っており、選手を積極的に購入する意思のあるクラブはほとんど存在しない。Rマドリードの選手に興味を示し問い合わせをしたクラブも、高額な年俸を支払うことができない。またRマドリード所属選手の多くも退団を望んでいないという。

このような状況でクラブは来季、マジョルカでプレーする久保建英やBチームのカスティージャから期限付き移籍で出ているハビ・サンチェス、デ・フルートス、ダニ・ゴメスを含めると、総勢40人抱えることになるため調整が必要となっている。

久保やレガネスに期限付き移籍しているオスカル・ロドリゲスらのような若手選手の場合は移籍先を見つけるのは難しくない。一方、ベテラン選手の放出は困難となっている。ハメス・ロドリゲスの場合、同じ街のライバルクラブのアトレチコ・マドリードが狙うも高額な年俸を支払えない。ベールはマドリードから動く意思がなく、マルセロは依然として、自身がRマドリードで重要な選手であると確信している。

今夏の移籍市場がいつオープンするかは不明となっている。Rマドリードが選手の放出状況に応じて新たな補強に動く可能性はゼロではないが、マルカ紙による現時点でその取り組みはなく、所属選手の放出先を探し求めている最中であるとのことだ。

また、今夏の獲得候補に挙がるカゼミロのバックアップ(レンヌのフランス代表MFカマヴィンガ)や、得点が期待できるセンターフォワード(ドルトムントのノルウェー代表FWハーランド)らの補強はできない可能性が高い。一方、すでに長期のケガから回復したアセンシオとアザールの復帰が来季に向けた大型補強だと捉えているという。

来季に向けはすでに十分な戦力を抱えているという自負があるため、新たな選手補強ができないことに何の焦りも感じていないと伝えた。

(高橋智行通信員)