レアル・マドリードは今夏、ベール、ハメス・ロドリゲス、マリアーノの3選手の売却に動くとスペイン紙アス電子版が5日に報じている。

同紙によると、Rマドリードは新型コロナウイルスの影響を財政面に大きく受けているため、2億8300万ユーロ(約339億6000万円)という膨大な選手の給与総額の引き下げを目標のひとつに掲げた。リーグ戦中断前からジダン監督の戦力にほとんど入っていなかった3選手の放出を目指しているという。

ベールがセルヒオラモスと並ぶチームトップの税込2900万ユーロ(約34億8000万円)、ロドリゲスが税込1700万ユーロ(約20億4000万円)、マリアーノが税込800万ユーロ(約9億6000万円)で、合計5400万ユーロ(約64億8000万円)。クラブは昨夏もこの3選手の放出を試みたが、高額な年俸の支払いを他クラブが嫌い、実現できなかった。

Rマドリードは今夏の補強で当初、パリ・サンジェルマンのフランス代表FWエムバペやドルトムントのノルウェー代表FWハーランドを獲得の最有力候補に挙げていた。しかし、無観客開催などによる収入面の損失を考慮し、今夏はカゼミロのバックアップと考えているレンヌのU-21フランス代表MFカマヴィンガに目標を移したとのこと。しかし財政的に厳しいため、5000万ユーロ~6000万ユーロ(約60億円~72億円)を超える移籍金を支払うことはできない。そのため、既存の選手たちの売却が必要だという。

もっとも、Rマドリードはベール、ロドリゲス、マリアーノを放出し、今夏の補強がそこまでうまくいかない場合でも大きな問題はないと見ている。

なぜなら期限付き移籍でプレーするアクラフ(ドルトムント)、セバジョス(アーセナル)、ウーデゴール(レアル・ソシエダード)、久保建英(マジョルカ)といった、ドイツの移籍情報サイト「トランスファー・マーケット」による市場価値の合計が1億4500万ユーロ(約174億円)という素晴らしい選手たちを抱えており、連れ戻すことができるためである。久保の市場価値は1350万ユーロ(約16億2000万円)と見積もられている。この選手たちは皆、来季トップチームに加わるため、既存の選手たちが退団し枠が空くのを待っている状況である。

Rマドリードは今夏、30人を超える選手を抱えることになるため、大幅なメンバー調整が必要になる。(高橋智行通信員)