マンチェスター・シティから期限付き移籍していたスコットランド1部ハーツを今月で退団したFW食野亮太郎(22)が25日、オンラインで取材に応じた。来季の所属先は現時点で決まっておらず、地元大阪で自主トレに励んでいる。

食野は近況について「(5月に)リーグ戦の打ち切りが決まって、1度休んで次のチームに向けて体を作っている段階。この先のことは見えていない。筋力アップとかベースアップの練習をしている」と説明した。

今季は19試合3得点を記録したが、監督交代などがあり、1月以降は出番が減った。最下位のハーツは来季2部降格も決まった。

1月にU-23日本代表で臨んだアジア選手権に食野が出場し、代表からハーツに戻ってから流れが変わっていた。監督が交代し、新たな戦術を確認する合宿やミーティングに参加できなかった。

「僕がいない間にミーティングもあって、後半戦に出遅れたことは否めない。監督が代わって、サッカーもガラっと変わっていた。前はつないで、僕みたいな選手は使ってくれたが、縦に速いサッカーになって適応するまでに時間かかった。アジア選手権に行ったのは後悔していないが、早く順応できればよかった」

フィジカル勝負の環境で苦戦もした。171センチと小柄な食野は、同様にサイズの小さい選手の体の使い方などを参考にし、成長してきた。すべてをプラスにとらえている。レンジャーズのジェラード監督(元イングランド代表MF)からは、食野が直接対戦でゴールを決めるなどし、名前を覚えてもらい、握手まで求められたという。

来季の所属先については「せっかく1年やったので(フィジカルで勝負するチームで)積み重ねたい思いはあるが、自分の(技術などの)特長を生かしたいのも正直ある。リーグにはこだわってはいない」。1年延期の東京オリンピック(五輪)へは「人それぞれ違うし、残念だが、むしろ今年が五輪だったが、一番近いタイミングで試合勘がなかったので、違うシーズンで五輪へ頑張ろうと思う」と意気込んだ。

19年8月にガンバ大阪からマンチェスターCへ完全移籍して1年。本当の勝負となるシーズンへ、準備を整えている。【横田和幸】