FW南野拓実(25)の所属するリバプールが、30年ぶりのリーグ制覇を成し遂げた。25日に2位マンチェスター・シティーが1-2でチェルシーに敗退。7試合を残して2位に勝ち点23差をつけた独走で、89-90年シーズン以来19度目のリーグ優勝が決まった。92年のプレミアリーグ発足後は初V。15年に就任したユルゲン・クロップ監督(53)のもと、昨年の欧州チャンピオンズリーグ、クラブW杯に続くタイトルを獲得した。

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30年ぶりの美酒は、チーム全員で味わった。試合のなかった選手たちはリバプール市内のホテルに集結。大型テレビ設置の屋外フロアでマンチェスター・シティーの敗退を見届けた。優勝の瞬間は絶叫し、抱き合った。

クロップ監督は「こんな気持ちになるなんて参った。選手がいなければ何も成し遂げられなかった」と男泣き。リーグ独走の中、新型コロナウイルスの影響でリーグ中断し、打ち切りの危機もあった今季。同監督は「ほっとした」と目尻を下げた。

自らのSNSを通じ、チームの優勝報告写真と優勝カップなどの絵文字を投稿した南野にとって日本人4人目のプレミア制覇だ。1月に移籍後、先発は1試合のみで計5試合無得点。英紙ミラーのV貢献度採点(10点満点)で、南野は5点と低かったものの「次に向け、リバプールのファンは南野が爆発することを望んでいる」と期待した。

80年代まで4度の欧州王座を獲得したリバプールも92年のプレミア発足後は苦戦。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルなどに後れを取ったが、15年に就任したクロップ監督のもとで復活を証明した。その名将に評価される南野がサラー、マネら強力FW陣と一緒に名門の新たな黄金時代を築くことになる。

◆日本選手のプレミアリーグ優勝 01-02年のアーセナルでリーグ戦の出場機会がなかったMF稲本潤一(現J3相模原)を含めると、12-13年のマンチェスター・ユナイテッドMF香川真司(現スペイン2部サラゴサ)、15-16年にレスターの奇跡の優勝に大きく貢献したFW岡崎慎司(同ウエスカ)に続き、南野は4人目。香川は20試合6得点、岡崎は36試合5得点。