日本代表MF久保建英(19)の来季はどうなる-。久保のマジョルカは16日、ホームでのグラナダ戦に1-2で逆転負けし、1試合を残し、1年で屈辱の2部降格が決まった。期限付き移籍中の久保は今季限りで退団することが既定路線となっており、複数クラブが来季のプレー先に名乗りを上げている。皮肉にも、同日、所属元のレアル・マドリードがホームでビリャレアルを2-1で下し、3季ぶり、最多記録を更新する34度目のリーグ優勝を決めた。

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久保はマジョルカで屈辱の降格を味わうことになった。ただ、シーズンを通し、特に終盤は「レアル・マドリード所属の選手」という高いハードルをクリアするようなプレーを見せた。初めてのスペイン1部リーグ。試合に出場するたびに評価を上げていった。昨年9月の加入後しばらくは控えに回ったが、ここ13試合連続先発。守勢に回る時間が多い下位チームにあって右サイドから一気にゴール前へ切り込むドリブルは異彩を放った。

マジョルカへの期限付き移籍期間は、もともと1年。降格もあって、退団は既定路線。下位チームで守備面や球際の競り合いの強さなど、新たな武器も身につけた。将来的には所属元であるレアル復帰が最大の目標。ただ、ジダン監督率いる白い巨人は圧倒的な選手層の厚さを誇る。加えて久保はEU圏外選手で登録枠に制限がある。こういった理由から来季は再び期限付き移籍して経験を積むこととなりそうだ。

注目はレンタル先がどこになるか。強みである攻撃面でより力を発揮しやすいスペイン1部でのステップアップが取り沙汰されている。スペイン紙アスによれば国内ではレアル・ソシエダード、ベティスなどが獲得に動き国外でもドルトムントといったビッグクラブも名乗りを上げているという。来夏の東京オリンピック(五輪)ではメダル獲得へ、大きな大きな期待を背負うことになる。レアルの意向もあるが、新天地選択は、東京五輪の日本代表の結果にも影響を及ぼす、重要なものとなる。【岡崎悠利】