スペイン最大手のスポーツ紙マルカが24日、日本代表MF久保建英(19)にスペイン国籍取得の可能性が全くないことを大きく報じている。

久保が来季、レアル・マドリードに復帰する場合、現在ビニシウス、ミリトン、ロドリゴのブラジル人3選手で占められているEU圏外枠が大きな問題のひとつであることが度々報じられてきた。

そんな中、マルカ紙はこれまで、久保が10年間スペインに居住すればスペイン国籍を取得できるという見解を示していたが、今回、改めて日本の法律を調べ、「タケ・クボの“不可能な”帰化」と大きく見出しを付け、それが不可能であることを報じている。

同紙によると、スペインでの久保のケースについて、スペインに合法的かつ継続的に10年間居住した場合、スペイン国籍の取得申請ができるとのこと。

一方、難民認定されている人々は5年、イベロアメリカ(スペインとポルトガルの元植民地の中南米諸国・地域)やアンドラ、ポルトガル、フィリピンなどの人々はスペインに2年間継続して居住することで申請できることになっている。その他、例外としてスペイン人と結婚している場合、1年で申請できる法律もある。

ブラジル人のビニシウスは今年7月でスペインに住み丸2年が経過したため、すでにスペイン国籍の取得手続きを開始していると報じられている。

一方、日本での久保のケースを見てみると、85年1月1日以後に二重国籍となった日本国民の場合は次の通りになっている。20歳に達する以前に二重国籍となった場合は22歳に達するまで、20歳に達した後に二重国籍となった場合は重国籍となった時から2年以内にどちらかの国籍を選択しなければならない。

そのため久保が今後、もしスペイン国籍を取得した場合、それから2年以内に日本とスペインの国籍をどちらかを選択する必要があるが、マルカ紙は、「今後何年にも渡り、スポーツレベルにおいて自国を代表することになる選手にとって、それは現実的なシナリオではない。彼のイメージはすでに日本サッカー界で最もポピュラーだ。そのためアディダスが昨年11月に行った日本代表の新ユニフォーム発表会で久保を選んでいる。久保が日本人であることをやめるという選択肢は全く存在しない」と、久保が日本国籍を捨てる可能性が全くないことを強調している。(高橋智行通信員)