日本代表MF久保建英(19)獲得に関心を示しているスペイン1部セビリアについて、その理由が同クラブのサイドアタッカー不足にあると27日、セビリアの地元紙エスタディオ・デポルティボ電子版が報じた。

同紙はセビリアのFWノリートがシーズン終了前にセルタへ移籍したこと、MFロニー・ロペスのニースへの期限付き移籍が決定的になっていることにより、来季に向けてサイドアタッカーを必要としていると伝えている。

ロペテギ監督の下には現在、オファーの絶えないMFオカンポス、先週買い取りオプションを行使してミランから獲得したばかりのMFスソ、リーグ戦再開後、左サイドにポジションを移したFWムニルの3選手しかサイドアタッカーがいない。そのためオカンポスの去就次第とはなるが、現時点では同ポジションの選手をひとり補強する必要があり、スポーツディレクターのモンチが久保に白羽の矢を立てているという。

レアル・マドリードは久保がセビリアでステップアップできると判断しており、欧州チャンピオンズリーグに出場できることも有力候補となっている理由のひとつになっているという。

さらに今季、Rマドリードから期限付き移籍でセビリアに所属しているDFレギロンが良い経験を積めたことで、久保にとっても同クラブがさらなる成長を遂げる場所として理想的だとジダン監督を納得させている可能性があると同紙は伝えている。

セビリアの獲得のライバルには現在、ベティス、レアル・ソシエダード、ビリャレアル、アヤックスなどの名が挙がっているが、Rマドリードは獲得を希望するパリ・サンジェルマンを選択肢には入れていないという。

同紙は久保について、「スソのように左足を完璧に操るが、右サイドでプレーを開始することを好み、さらにトップ下として動くことができる。間違いなく久保は、補強を迫られるセビリアのメンバー内で、そのポジションの競争力を高める要素となる」と期待を寄せている。

今後、交渉が行われることになるが、セビリアが買い取りオプション付きの1年以上の期限付き移籍を求める一方、Rマドリードは間違いなく買い戻しオプションを付けると推測されている。

 (高橋智行通信員)