スペイン1部バルセロナに退団意思を表明していたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(33)が3日、残留を表明した。

サッカー専門サイト「ゴール」のインタビューに応じ、20-21年シーズンもバルセロナでプレーすることを明らかにした。バルセロナとの契約最終年をまっとうするという。また自らの希望に反した残留を余儀なくされたことを示唆した。

「私は幸せではなかったので、去りたかった」と素直に気持ちを明かした。以前からクラブに不満を持っていたとされ、8月25日、クラブに退団を希望する意思を伝えた。契約では6月10日までに退団を伝えた場合、一方的に契約解除できるが、それ以降の場合は7億ユーロ(約875億円)の移籍金が発生。メッシ側は新型コロナウイルスの影響を受けてシーズン終了が遅れたため、当初の契約通りにはいかないと主張していた。

しかし8月30日には、スペインリーグがバルセロナとメッシの契約問題について公式声明を発表。数日間の両者の矛盾した情報を分析し、メッシの契約が現在も有効であるため、退団する場合は契約解除金の支払いが必要と結論づけた。9月2日にはメッシの父のホルヘ氏が1時間半、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長と会談。移籍金なしでの退団を申し出たものの、クラブ側に拒否され、法廷闘争に持ち込む姿勢まで伝えられた。

「私は自由に退団することができると確信していた。会長は常にシーズンの終わりに私が去就を決められると言っていた」と明かしたメッシは「いかなる方法でも(退団は)許可されておらず、法廷闘争に巻き込まれないようにクラブにとどまるつもり」と落ち込んだような表情もみせた。

さらに「このコロナウイルスの最中にリーグを戦い、シーズンが劇的に変化したのに6月10日までに(退団を)発言しなかったという事実に固執している。会長が唯一の退団方法は7億ユーロを支払うことで、それは不可能だと。なのでバルサでプレーするつもり。そして、これがクラブに残る理由です」と素直な気持ちを口にした。

またメッシはバルセロナを離れると家族に伝えた際、夫人と息子3人の様子も明かした。「伝えた時は残忍なドラマだった。全員が泣き始め、子供たちはバルセロナは離れたくない、学校も変えたくないと。みんな『行かないで』と言った」と説明。バルセロナとの契約をまっとうすることを優先しながらも「私はバルセロナが大好きで、ここより良い場所を見つけるつもりはない。それでも私には決める権利がある。新しい目標と新しい課題を探すつもりでした」とも発言。バルセロナとの契約が終わる1年後には移籍する可能性も示唆していた。