昨季限りでバルセロナの監督を解任されたキケ・セティエン氏(61)が3人のアシスタントコーチ(エデル・サラビア、ジョン・パスクア、フラン・ソト)と連名で声明を出し、バルセロナに対して訴訟を起こす予定であることを自身の公式ツイッターで17日に発表した。

セティエン氏はその際、「バルセロナの首脳陣が1カ月間完全に沈黙し、我々の方からいくつかの要求を出した後、クラブからブロファクス(スペインの内容証明)を通じて最初の公式通知を受け取ったのは昨日(9月16日)だった。この通知はクラブ首脳陣が20年1月14日付の雇用契約を順守しないという明確な意思を明らかにしている」と伝えている。

バルセロナがセティエン監督解任の声明を出したのは8月17日だった。その後、セティエン氏はクラブからその件について正式な通知を何も受けていなかったため、8月26日に弁護士を通じてブロファクスで違約金等についての回答を求める文書をバルセロナに送っていた。

しかし、20日以上経過した9月16日にバルセロナから届いた正式な解任通知には、セティエン氏の契約が22年6月まで残っているにもかかわらず、違約金については何も書かれていなかったという。

さらにバルセロナは、セティエン氏と3人のアシスタントコーチに対し、解雇手当を支払う必要がないようにクラブ内にとどめて他の職務に配置換えすることを併せて伝えているが、この決定はセティエン氏たちにとって大きな驚きになっているとのこと。

これらのことを受け、セティエン氏はアシストタントコーチたちとともに、契約の解決を目指してバルセロナ相手に訴訟を起こすに至っている。そしてスペイン紙アスによると、同氏はバルセロナに対し、20-21シーズンに向けて契約で定められている給料400万ユーロ(約5億円)を要求する予定であるという。

また、セティエン氏との契約が解除されていないため、新監督に就任したロナルド・クーマンは来週末に行われるビリャレアルとのリーグ初戦で、ベンチに入ることができない可能性があるとのことだ。(高橋智行通信員)