スペインリーグのビリャレアルに所属する日本代表MF久保建英(19)が、下部組織時代を過ごしたバルセロナを相手にカンプ・ノウのピッチに立った。0-4の後半29分から出場し、左足で鋭いシュートを放つなど短い出場時間の中で見せ場をつくった。試合は今季初戦のバルセロナが17歳FWアンス・ファティの2得点やFWリオネル・メッシのPKなどで4点を奪い、快勝した。

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与えられた短い時間の中で、久保が果敢に攻めた。開幕から3戦連続の途中出場。後半29分に慣れ親しんだ右サイドに入ると、最初の見せ場は同36分。中央をドリブルですり抜け、左へパスを出すと、ゴール前へ入ったが、折り返しのパスには合わせられなかった。

同40分に素早い裏抜けで味方パスを引き出し、右サイドのゴールライン際からグラウンダーボールを中央へ折り返した。GKに阻まれたが、バルセロナ守備陣をかく乱した。そして同44分には得意の右サイドからのカットイン。素早い足技で対峙(たいじ)したDFの足を止めると、そのDFをブラインドに使ってのコントロールシュート。左隅を狙ったボールはGKネトにセーブされ、悔しがった。

得点やアシストこそなかったが、エメリ監督は「タケ(久保)はすべての試合で貢献している」と開幕からの3試合を終えて19歳を高く評価。「攻撃のあらゆるポジションをこなせ、右サイドで特に快適にプレーする。とてもいいパフォーマンスだった」と、久保の特長を理解した上で満足の言葉を並べた。スペイン紙アスも「久保が出場してからビリャレアルは大きく改善した」と高く評価した。

続くアラベス戦は中2日で迎えるため、今季初の先発出場の可能性も高まる。実力者ぞろいのビリャレアルで主力の座をつかむため、次戦が久保にとって重要なアピールの場になることは間違いない。今季初ゴールという“一発回答”で、スタメン定着への道を切り開く。(高橋智行通信員)