日本代表MF久保建英(19)が、今冬に新加入したヘタフェでいきなり勝利に貢献する活躍を見せた。

アウェーのエルチェ戦に途中出場し、2得点に絡んだ。合流から1度も練習しないままぶっつけ本番の実戦で好プレーを連発。レギュラー獲得を猛アピールした。次節は20日にFW岡崎慎司(34)が所属するウエスカと対戦する。

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新鮮な青色のユニホームに背番号5をつけた久保が、得意の右サイドでくすぶっていたエネルギーを解放させた。1-1の後半19分にピッチに立った5分後。パスを受けてドリブルでペナルティーエリア内へ切り込み、左足シュート。鋭い1発はGKに弾かれたが、これに詰めたFWマタが押し込んで勝ち越しに成功した。同41分には3点目のPKにつながるクロスを供給。わずか26分で力を証明して見せた。

降雪の影響で練習できないままの実戦で輝いた久保についてボルダラス監督は「彼は(大雪の)困難な状況の中で8日にマドリードに来て、自宅にこもる必要があった。彼は本当に素晴らしいパフォーマンスを発揮し、重要なアクションを2つ生み出してくれた」と、2得点に絡むプレーを称賛した。また、スペイン紙アスは「久保が革命を起こした」と見出しをつけ「右サイドからエキサイティングなデビューを飾り、ハイレベルなパフォーマンスを発揮し、均衡を破った」と試合の流れを変える活躍を高く評価した。

シーズン前半はリーグ4位のビリャレアルで激しい競争にもまれた。スペイン代表MFモレノらと争い、本業ではない左サイドで身を粉にする時間もあった。移籍直前には自身のインスタグラムに写真を投稿。日本代表として濃霧の中でプレーする姿のもので、簡単な1年ではなかったことを示唆する1枚でもあった。そして21年は、シーズン途中でクラブを変える決断から始まった。大事な初戦で抜群の存在感を示した。

この日の活躍で、次節からいきなりスタメン入りする可能性も高まった。今季の目標として、昨季の4ゴール4アシストを上回ることを掲げていた。残るリーグ戦は20試合。可能性は十分にある。