サンプドリアの日本代表DF吉田麻也(32)がパルマ戦でセリエA初ゴールを決めた。前半25分、右クロスのこぼれ球をゴール前で左足で蹴り込んだ。吉田はプレミアリーグのサウサンプトンでも6得点を挙げており、セリエAとプレミアの両方でゴールを決めるのは、中田英寿氏に次ぐ2人目の快挙となった。

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センターバックの吉田が相手ゴール真正面に立っていた。直前にFKがあり、そのまま残っていたのだ。するとMFカンドレーバの右クロスを相手がクリアミス。「ラッキーだった」。目の前に転がってきたボールを左足で蹴り込んだ。

吉田の先制点でリズムをつかむと、前半34分にはFWバルデが追加点。チームは2-0で快勝した。吉田は「ゴールも大事だが、センターバックなので無失点の方がより重要」と昨年10月以来となるクリーンシートを喜んだ。

昨年1月の移籍期間で締め切り間際にサウサンプトンから電撃加入。イタリア語も短期間で急激に上達させ、この1年で主力としての立場を確立した。18日には来季終了まで契約を延長。チームにとって欠かせない存在となった日本代表主将は「次はユベントス戦で非常に重要」と余韻に浸ることなく、王者に挑む次戦に切り替えた。

セリエA初ゴールで偉大な先輩にも肩を並べた。ペルージャやローマ、そしてこの日の相手パルマでも活躍した中田英寿氏だ。同氏はプレミアリーグ(当時)のボルトンでも得点しており、これまではセリエAとプレミアという世界最高峰の2リーグで得点した唯一の日本人選手だった。

サンプドリア公式サイトによると、吉田は同クラブの公式戦で得点した初のアジア人選手にもなったという。「初ゴールはうれしいですが、移籍後30試合に出場し、もっと結果を残せたとも思う。シーズン終了まで、少なくともあと2点は決めたい」とさらなる貢献を誓った。