アイントラハト・フランクフルトの鎌田大地(24)が首位バイエルン・ミュンヘンを相手に1得点1アシストの活躍で、勝利の立役者となった。

前半12分に今季3点目となる先制ゴールを挙げ、同31分に追加点をアシストした。チームは2-1で勝って5連勝&11戦無敗で、Bミュンヘンと勝ち点7差の4位。鎌田は終了間際に交代し、守備的MF長谷部誠(37)はフル出場した。

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鎌田にとっても、チームにとっても大きな価値を持つゴールとなった。相手はブンデスリーガ9連覇を目指して首位を走る“絶対王者”Bミュンヘン。昨季欧州王者で、11日にはクラブワールドカップ(W杯)を制して世界一となり、「6冠」を達成したばかりのスター軍団である。

前半12分、左からのマイナスのパスに鎌田は中央に滑り込みながら、右足をダイレクトに合わせた。世界的名GKノイアーの逆を突いて、ゴールネットを揺らす。同31分には左のゴールラインぎりぎりからユネスにパスを出し、追加点をお膳立てした。3-4-2-1の2列目である鎌田とユネスの好連係が、チームの好調の要因ともいわれる中で、それを象徴する一戦となった。

守っては長谷部ら守備陣の奮闘で、後半8分にレバンドフスキに1点を許しただけで、逃げ切った。首位と勝ち点7差の好位置にヒュッター監督は「素晴らしい」。長谷部は「リーグ自体も面白くなる」と充実感をにじませ、同時に「テニスの大坂選手やスキージャンプの小林選手に刺激をもらった」と他競技の日本勢の活躍にも言及した。

敗れたBミュンヘンのフリック監督は「立ち上がりがよくなかった。相手は前半素晴らしい速さと圧力で迫ってきた」と、鎌田らの攻撃に威圧されたことを認めた形。この勝利が鎌田の名を広め、自信を膨らませ、一気に躍進する起爆剤になるかもしれない。