パリ・サンジェルマンが来季に向け、レアル・マドリードのスペイン人FWルーカス・バスケス(29)を狙っていると、スペイン紙アスが13日に報じている。

10日に行われたクラシコで左膝後十字靱帯(じんたい)捻挫の重傷を負い、今季絶望が決定的となっているルーカスは、Rマドリードとの契約が今年6月30日までのため、今季終了後にそのまま退団する可能性が出ている。

同紙によると、ルーカスにはクラブから契約延長オファーが届いているが、内容が数カ月前から変わっておらず、交渉が順調にいっていないとのこと。それは契約延長期間は3年間、そして年俸は新型コロナウイルスの影響を財政面に受けていることを考慮し、10%減の手取り約300万ユーロ(約3億9000万円)というもの。しかしルーカスは自身のパフォーマンスを考えるとわずかでも昇給するに値していると感じているため、このオファーを現時点では拒否しているという。

今夏、移籍金ゼロでの獲得が可能なルーカスは現在、欧州のビッグクラブの関心を集めており、すでにバイエルン・ミュンヘンが狙っているという報道が出ている他、最近、パリ・サンジェルマンの名前が急浮上している。パリ・サンジェルマンはルーカスについて、その経験と年俸の安さを考慮すると来季チームを補強するのに最適な人材とみているとのことである。

ルーカスは今季、故障者続出の中、ポリバレントな能力を発揮し、負傷前まで右サイドの攻撃から守備までカバーしてジダン監督の重要な選手のひとりとなっていた。チームがここまでに戦った公式戦41試合中34試合(先発31試合)に出場し、2得点7アシストを記録していた。

新型コロナウイルスの影響で無観客開催が続く中、ルーカスが今夏、ホームサポーターの前でこのままプレーすることなく、Rマドリードを離れることかどうかが注目される。

(高橋智行通信員)