新監督にカルロ・アンチェロッティを迎えたレアル・マドリードが現在、復帰や売却を含めた来季の去就をできるだけ早く決定するために、今季期限付き移籍で出していた選手たちのパフォーマンスを評価していることを、スペイン紙アス電子版が4日に報じている。

久保建英(ヘタフェ)、マルティン・ウーデゴール(アーセナル)、ダニ・セバージョス(アーセナル)、ブラヒム・ディアス(ACミラン)、ガレス・ベール(トットナム)、ルカ・ヨビッチ(Eフランクフルト)、ボルハ・マジョラル(ローマ)、ヘイニエル(ドルトムント)、ヘスス・バジェホ(グラナダ)、フラン・ガルシア(ラヨ・バリェカノ)の10選手。

ドイツの移籍情報サイト「トランスファー・マーケット」による全員の市場価値総額は1億7700万ユーロ(約230億7500万円)となっており、状況次第で資金調達できるとも考えられている。

そんな中、同紙は今季の期限付き移籍の選手のパフォーマンスを分析し、最も素晴らしいシーズンを送ったのはブラヒム(公式戦39試合7得点4アシスト)とマジョラル(公式戦47試合17得点7アシスト)の2選手であるほか、ウーデゴール(公式戦20得点2得点2アシスト、今季後半戦からアーセナルに所属)とセバージョス(公式戦40試合0得点3アシスト)もポジティブな成績だったと評価した。

久保については「彼の1年はヘタフェの残留を決めた最終節ひとつ前のレバンテ戦のスーパーゴールで最高潮に達したが、ヘタフェでも再びイレギュラーだった。ビリャレアルとヘタフェへの期限付き移籍が失敗に終わった中、リーグ31試合に出場するも先発出場は10試合、シーズンを通じてのフル出場はわずか3試合のみだった。母国開催の五輪がターニングポイントになると思われるが、まだ突破口を開けていない」と厳しい1年だったと寸評している。久保の今季の公式戦成績は37試合2得点4アシストだった。

最もその去就に注目が集まるベールの今季の公式戦成績は34試合16得点3アシスト。批判を浴びることもあったが、十分な得点力を発揮していた。Rマドリードとの契約が来年6月30日まで残るが、来季の去就は不透明になっている。同紙は「ジダンは復帰を閉ざしたが、アンチェロッティはベールに別のパノラマを開いており、記者会見で『もし彼にモチベーションがあるなら素晴らしいシーズンを送ることができるだろう』とコメントしていた。

一方、考えられるもうひとつのオプションはRマドリードとの契約が切れる1年前(今夏)に引退すること。Rマドリードは彼のゴールを喜ぶだろうが、トットナムで彼のけがが過去のものであることを示せなかった」と、高い得点力がポジティブな要素である一方、これまで同様にけがへの懸念がつきまとっていることを強調した。

(高橋智行通信員)