スペインサッカー連盟が10日、欧州選手権に参加する代表選手たちへの新型コロナウイルスのワクチン接種に関して、副反応を示す選手が出る危険性があること、11日に接種してもワクチンの効果が十分に発揮されるのは決勝トーナメント以降になると推測されるため、ワクチン接種をしないとスペイン政府に伝えたことが同日、地元ラジオ局カデナ・コペに報じられていた。

しかし情報が一転し、最終的にスペインサッカー連盟が10日夜、スペイン政府と協力し、ワクチン接種を実施することを公式サイトで正式発表している。その理由として「スペイン代表がすでに予防接種を受けている他の参加チームと同等の条件で戦えるようにすることに加え、安全性が完全に保証された状態で欧州選手権を戦えるようにするため」と説明した。

スペインサッカー連盟は、ワクチン接種が11日午前に開始され、各選手の状況に応じて異なるワクチンが提供されることも伝えている。これについてスペイン紙アスは、新型コロナウイルスに感染した選手とすでに所属クラブで1回目のワクチンを受けている選手はファイザー製のワクチン、それ以外の選手たちは1回投与型のジョンソン・エンド・ジョンソン(ヤンセンファーマ)製のワクチンをそれぞれ接種することになると報じている。

スペイン代表はこの後、14日に欧州選手権・1次リーグ初戦でスウェーデンと対戦する。(高橋智行通信員)