D組ではチェコがエースFWパトリック・シック(25=レーバークーゼン)の2得点で2-0とスコットランドを下した。後半7分の2点目は50メートル級の超ロングシュートで、敵地のファンを黙らせ、チームを勢いづけるものだった。

E組では過去3度の優勝を誇るスペインが終始押し込みながら、スウェーデンと0-0の引き分けどまり。スロバキアはDFシュクリニアルが攻守に活躍し、ポーランドに2-1と競り勝った。

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驚きのスーパーゴールが生まれた。1-0で迎えた後半7分、相手のミドルシュートを味方がはね返した球が転がり、ハーフウエーラインを越えたところで、シックが左足でゴールを狙う。球は緩いカーブを描いて、前に出ていたGKの頭上を抜き、バーのわずか下からネットを揺らした。

「GKが前に出ているのが見えた。彼の立ち位置は前半にチェックしていた」とシックは明かした。

直前は防戦一方で、危うくオウンゴールになりそうな場面もあった。しかも、今大会は11都市分散開催とはいえ、この日は完全アウェー状態。スタンドが静まりかえるゴールに、シルハビー監督は「あのゴールが我々を落ち着かせてくれた」と、振り返った。

美しいゴールにチェコでは、96年大会のポルトガル戦でポボルスキが決めた“伝説的ループシュート”を引き合いに称賛する声も。これでイングランド、クロアチアを含むD組は大混戦になるかもしれない。