2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会開幕まで、7月9日でちょうどあと500日となった。開幕戦は来年11月21日。19年アジア杯王者カタールが収容人数6万人のアル・バイト・スタジアムに登場する。また決勝戦はカタール建国記念日である12月18日に8万人収容のルサイル・スタジアムで開催される。

02年日韓大会に続いてアジアで2度目、そして中東では初めてのW杯。区切りの1日に、W杯組織委員会CEOのナセル・アル・カテル氏が「あと500日。大会はもうそこまで迫っています。W杯はこの地域を1つにし、世界の歴史の中で誇るべき瞬間になるでしょう。W杯が近づくにつれて、日に日に興奮は高まってきています」と声明を発表した。

W杯カタール大会はすべての競技場がドーハから50キロ圏内に収まるコンパクトな大会。ファンや選手、関係者は大会終了まで同じ宿泊施設にとどまることができる。同CEOも「コンパクトさはおそらく今大会の最もポジティブな側面です。ファンはチームを追って町から町へと移動する必要がなく、空いた時間にカタール観光を楽しむこともできます」とアピールした。

組織委のヤシル・アル・ジャマル副会長によると、W杯開催に向けたインフラ建設はすでに95%が完成しており、試合を行う全8スタジアムは年末までにはすべての工事が終了する予定。同副会長は「我々は11年からW杯および国のインフラ整備のために懸命に仕事をしてきました。地下鉄や空港、高速道路の延長等、準備状況はとても良い。年末にスタジアムがすべて完成となれば、まるまる1年をテストに使えます」と話した。

5つのスタジアムはすでに完成し、残る3会場もほぼ出来上がっている状態。6つのスタジアムは今年11~12月にかけて行われる21年アラブ杯で使用される。アル・ジャマル副会長は「アラブ杯はW杯のちょうど1年前に開催されるということで、国内インフラや大会運営についてのテストになります。そしてアラブ地域のファンにサッカーの興奮をもたらすでしょう」と説明。

アル・カテルCEOも「今回、初めて国際サッカー連盟(FIFA)がアラブ杯を運営します。とても重要な大会で、地域の人々を1つにし、新しいスタジアムのお披露目にもなる。W杯への準備が万全だということを確かめる素晴らしい機会になるでしょう」と話した。

カタールでは、W杯への準備の初期段階から「レガシーを残す」ということが計画の中心となってきた。いくつかのスタジアムでは大会後に収容人数が減らされ、座席が他国のスポーツ発展のために寄付される予定。また別のスタジアムは他競技の競技場に生まれ変わる。そしてラス・アブ・アブード・スタジアムはW杯後に完全に解体され、部品が国内外で別の施設建設のために使用される予定となっている。

そしてW杯へあと500日となったこの日、東京五輪で連覇を目指すサッカー・ブラジル五輪代表も区切りの1日を迎えた。ここまでサンパウロで調整してきたが、9日に事前合宿のためにカタール入り。新型コロナウイルスが再びまん延し、ワクチンの不足が発覚した日本への到着をなるべく遅らせ、完璧な状態で五輪に臨むために同地でキャンプをスタートさせた。東京とは対照的にすべてが準備万全なカタールを経由し、ブラジルは優勝を目指す。