【ビトリア(スペイン)=高橋智行通信員】日本代表MF久保建英(20)の所属するマジョルカが、今季初勝利を挙げた。

アラベスが退場者を出したことでマジョルカが優位となり、後半35分に後方からのロングパスに抜け出したFWフェル・ニーニョがGKの頭の上を越すシュートを決めて競り勝った。

久保はドローに終わった開幕戦のベティス戦では途中出場だったが、今季2戦目で初先発。4-2-3-1のトップ下で後半43分までプレーした。

久保は前半8分にドリブルを仕掛け、ガラレタのシュートの起点となった。だが時間の経過とともにアラベスが有利にゲームを運んだため、前線から守備をする時間が長くなった。

そんな中での前半38分、アラベスの最終ラインでボールをうまく奪った際、ルジューヌにファウルを受け、イエローカードを誘発した。同ロスタイムには右サイドからFKを蹴り、ムブラが頭で合わせたが枠に飛ばすことはできなかった。

久保は後半も守備に追われる場面が多かった。それでも後半14分に強引にドリブルを仕掛け、同18分には左サイドを突破してゴール前に惜しいパスを送った。

同21分に相手のドゥアルテが退場し、マジョルカが数的有利に。久保は31分にスルーパス、41分には久保のパスからサルバ・セビージャがシュートを打つが、いずれも得点になつながらなかった。

久保は同43分に交代した際、スタンドの相手サポーターにユニホームをプレゼントした。

前半はボールがあまり入らず守備に追われる時間が長かったが、数的有利になった後半は惜しいスルーパスを何本か出した。

ルイス・ガルシア監督は試合後の会見で、久保について言及。「彼は明らかにレッドカードだったというチャンスに怒っていた。今、調子を上げているところだ。良い点は彼が加入し、皆が彼のことを知っていること。いろいろなことを吸収している最中である。彼はもっと野心を持ち、ペナルティーエリア内に入り込む必要があるが、私は彼に満足している。彼は我々に多くのものをもたらせてくれる選手だ」と評価した。

なおアラベスFW原大智はベンチ外で、久保との日本人対決はならなかった。