ポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナウド(36)が、ユベントスから古巣マンチェスター・ユナイテッドへ移籍することが決まった。両クラブが合意し、マンUが27日に発表した。英メディアによると、契約は23年6月までの2年で、移籍金は2300万ユーロ(約29億9000万円)。マンチェスター・シティーへの移籍話が報じられてきた中、急転、まさかのCからUへ--。12年ぶりの「赤い悪魔」復帰となった。

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電撃的な移籍劇だ。プレミア王者マンCへの移籍話が取りざたされていたが、ロナウドが選んだのは古巣だった。元マンU監督のファーガソン氏が説得したとも報じられた。03年、チームの顔だったベッカムがレアル・マドリードへ移籍。“後釜”として、まだ無名の18歳だったロナウドを招き入れ「伝統の背番号7」を与えてくれた恩師だ。当時チームメートだった現スールシャール監督の後押しもあったという。

ユーベのアレグリ監督によると、26日には退団の意志を示し、27日の練習は不参加。英国に移動したとみられる。ロナウドはマンUでスター街道を駆け上がり、08年にレアル・マドリードへ移籍。欧州CL制覇やバロンドール獲得などを重ね、実績、人気ともメッシと二分してきた。18年に「欧州CL優勝請負人」としてユーベに移ったが、その期待には応えられず、今夏の退団は想定内だった。

移籍金が過去の移籍時より大幅に低いのは、年齢的なことに加え、ユーベ側が慰留する意志がなかったためのようだ。マンUはリーグ制覇は12-13年以来、欧州CLは07-08年以来遠ざかっており、ロナウドの復帰が起爆剤になるか注目される。

<ロナウド移籍発表後>

★本人は インスタグラムでユーベのファンへ「人生最後の日までトリノを愛し続ける」など感謝のコメント。同時に「最終的に偉大なことを達成したと振り返る。すべてが思い通りではなかったけど」と、思い通りの成績を残せなかったことにも言及。

★リーグに火を付ける マンUのOBで、かつて一緒にプレーしたG・ネビル氏は「素晴らしいニュース。マンCへの移籍話は、マンUのファンにとって拷問だった」「彼はチームとしても個人としても称賛を勝ち取っており、プレミアリーグに火を付ける」「マンCやチェルシーの上に立つには、大きなことが必要だった」などとした。

★ユーベはどう動く? 代役としてRマドリードのアザールを最有力候補にするとスペイン紙。バルセロナで事実上戦力外のピャニッチを復帰させる動きもあるという。

★背番号問題 マンUの「7」は現在カバニがつけており、マンU加入前のスポルティング時代の「28」になる可能性があると、英メディア。

◆マンUの今季布陣 基本線は4-2-3-1で、前の4人についてトップ下のフェルナンデスと左のポグバは安定している。本来はカバニが1トップだが、現在は故障離脱中。ロナウドはどこでもこなせるはずだが、ドリブルやスピードを生かすなら右サイドだろう。ただ、ここはジェームズ、グリーンウッドらが務めることもあり、新加入のサンチョも定位置として狙っている。