バルセロナのジョアン・ラポルタ会長(59)は6日、バルセロナの地元テレビ局エスポルト3のサッカー番組オンゼに出演。クラブの現在の状況について「今ICU(集中治療室)の中にいるが、我々は改善し続けており、それを示すデータもある」と深刻な状況から脱出を図っていることを強調した。

同会長はパリ・サンジェルマンへ移籍したメッシとの関係については「我々の望んだ状況にならなかったので、関係は悪いものになっていると思う。退団して以来、メッシとは話をしていない。彼がパリSGでデビューするのを見たが、ライバルである他のチームで彼を見るのは変な感じがした。他のユニホームを着た彼の姿を見たくはなかった…」と残念がった。

新加入の選手たちをスペインリーグに登録するため、主将のブスケツらが減俸を受け入れたことについては「彼らはヒーローだ。バルセロニスモ(バルセロナ主義)によりそれを受け入れてくれた。彼らの行為は称賛に値する。我々はサラリーキャップを110%の状態から80%に減らしたが、それは簡単なことではなかった。キャプテンたちが模範を示してくれたので、我々はこの後、ウムティティなど他の選手たちに対しても同じように対処していくつもりだ」と感謝を述べた。

今夏の移籍市場最終日に優勝争いのライバルであるアトレチコ・マドリードに期限付き移籍したグリーズマンについては「我々は皆、グリーズマンにより大きな期待をしていたが、彼は全力をささげていたし、批判されるような態度を取ったことは一度もなかった。我々のシステムには合わなかったが、彼の姿勢は常にとても素晴らしいものだった。私は彼に成功を願うメッセージを送ったよ。おそらく彼はサッカー面に関して、我々が必要としていた選手ではなかったと思うが、我々が優勝した国王杯ではゴールを決め、大きな役割を果たしてくれた。もっとチームに貢献できたかもしれないが、彼は困難な状況の中を過ごしていた」と言及。Aマドリードとの契約条件については「もしグリーズマンが出場可能な試合のうち50%以上をプレーした場合に限り、アトレチコは買い取る義務がある」と明言した。

今夏、獲得のうわさがあったパリSGのブラジル代表FWネイマールについては「我々はネイマールを獲得しようとした。当時、彼と契約を結ぶのを面白いことだと思ったし、連絡を取り、彼も戻ってくることを望んでいた」と契約を試みたことを認めた。ただそれはメッシを選手登録できないことを知る前に実行したことだと説明した。(高橋智行通信員)