バルセロナからアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)が加わり、優勝候補の一角と言われるパリ・サンジェルマン(フランス)が、伏兵クラブ・ブリュージュ(ベルギー)と引き分けた。初めて先発そろい踏みとなったメッシ、ネイマール、エムバペの「MNMトリオ」が不発。連係面で今後に不安を残した。

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メッシがパリ・サンジェルマン移籍後、公式戦2戦目にして初先発した。ネイマール、エムバペとの夢のMNMトリオお披露目となったが、消化不良の結果に終わった。

パリSGは前半15分、エムバペの左クロスを、エリア内に走り込んできたMFエレラが左足シュート。これが決まって先制した。だが同27分に追いつかれると劣勢となり、ドローでしのぎきるのがやっとだった。

フル出場したメッシは前半29分にシュートをバーに直撃させるなど惜しい場面もあったが、加入後初ゴールはならず。エムバペが右足首を痛めて後半立ち上がりに交代を余儀なくされる痛いアクシデントもあった。

元イングランド代表FWマイケル・オーウェン氏は英BTスポーツの取材に対し「彼ら(MNMトリオ)個人個人はそれぞれ驚異的な選手たちだ。だが3人そろうと(攻撃力が)弱くなる。なぜパリSGが優勝候補の一角と言われるのかまったく理解できない」と酷評した。

顕著なのは攻撃を担う3トップと後ろが分断されてしまっていること。オーウェン氏とマンチェスターUで同僚だった元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏は中盤の選手との組み合わせしだいで3人を生かすことはできると断言。しかしその上で「3人はもっと働く必要がある。(守備時に)ちゃんと戻ってくるとか。ネイマールはできていたが、若いエムバペはもっとやらないと」と課題を挙げた。

果たしてポチェッティーノ監督はスターたちにそれを要求できるのか? 同監督は「3人がお互いに理解するためにはまだ時間が必要」と話し、性急に結果を求めるべきではないと、あくまで選手たちをかばっていた。

◆今夏のパリSGの補強 FWメッシ(前バルセロナ)、MFワイナルドゥム(前リバプール)、DFセルヒオラモス(前Rマドリード)、GKドンナルンマ(前ACミラン)というビッグネームを軒並み獲得したにもかかわらず、全員が前クラブと契約満了しており、これら4人のために支払った移籍金はゼロ。主な出費はDFハキミ(前インテル・ミラノ)の移籍金6000万ユーロ(約78億円)と、MFダニーロ(前ポルト)の1600万ユーロ(約20億8000万円)だけだった。