【ケルン(ドイツ)7日=浜野裕樹通信員】日本代表の主将、シャルケDF吉田麻也(33)がアウェーで行われたケルンとの開幕戦でフル出場。キャプテンマークを巻いてドイツでの第1歩を踏み出した。

試合はシャルケに退場者が出たこともあり1-3で完敗。それでも「苦しい時こそ引っ張っていけるようになりたい」と前を向いた。

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シャルケは主将のMFラッツァ、第1副将のFWテロッデがともにベンチスタート。第2副将の吉田がキャプテンマークを巻くのは自然の流れだった。とはいえ、そもそも移籍初年度から副将に任命されること自体が異例。「自分の経歴に対してのリスペクトはすごく感じます」という吉田は開幕戦から意気に感じて奮闘した。

ただ、シャルケにとって早い時間に退場者が出たのは誤算だった。前半35分、MFドレクスラーが相手選手と競り合った際、ふくらはぎを踏み付けるような形となって一発退場。これで流れが一気に相手に傾いた。前半こそ0-0と粘ったが、後半4分、同17分と立て続けに失点。同31分にFKからビュルターのヘディングシュートで1点を返したが、直後に3点目を献上して試合は決まってしまった。

吉田は「徐々に落ち着いてきていい感じに来ている時に(退場で)ブレーキがかかっちゃったのは残念」と振り返り、「苦しい時こそ引っ張っていけるようになりたい。ブンデスリーガを経験している選手も少ないし、退場がでたあとの気持ちの持ちようとか、自分が(助言)できることはたくさんある」と今後を見据えて話した。

次戦は13日のボルシアMG戦。板倉滉との日本代表対決だ。ドイツでも有数の人気を誇るシャルケだが、2年前の20-21年シーズンには3勝7分け24敗の勝ち点16という考えられない成績で2部降格が決まった。当時とはメンバーは違うが、開幕から負けが続くようだと、あの悪夢がよみがえってくる。吉田にとって欧州4カ国目となるドイツで、パワーあふれるライバルたちとの戦いは始まったばかり。まずはボルシアMG戦で今季初勝利をつかみ取りたい。