デビュー2戦目の若武者が早くも結果を出した。シャルケFW上月壮一郎(22)が、ホームで行われたライプチヒ戦にスタメン出場し、後半11分に右足でブンデス初ゴール。最下位に低迷するチームは1-6と大敗したが、今後に期待を抱かせるプレーに、交代時にはサポーターから大きな拍手が送られた。

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上月の技術とスピードが生かされた、名刺代わりの一撃だった。4点を追う後半11分。左サイドのフライからパスを受けた瞬間に勝負あった。ファーストタッチをマークの相手DF2人の間に通し、同時に自らも瞬間的に2人の間を抜け、GKと1対1になった。

右足シュートを冷静にゴール右に流し込むと、反撃はここからだとばかりにすぐにボールを拾いに走った。このプレーで抜き去った1人が22年W杯カタール大会でも活躍したクロアチア代表DFグバルディオル。世界トップレベルのDFでも止められない会心の初ゴールだった。

しかし試合は1-6と惨敗。フル出場した同僚の日本代表DF吉田麻也の顔には苦悶(くもん)の表情も浮かんだ。上月も試合後、ツイッターに「ブンデスリーガ初ゴール。残念な結果で本当に悔しいです。次の試合に向けて良い準備をします」とつづり、初得点より大敗を悔しがった。

上月は21年限りで当時J2の京都を退団。その後はドイツ5部リーグでもプレーし、シャルケU-23から昨年末にトップ昇格を果たした。そのシャルケは現在、18チーム中最下位。シーズン半分の17試合を終えて早くも12敗目(2勝3分け)だ。このままだと上月が来季も1部でプレーするには“個人昇格”しかなくなってしまう。次はチームの勝利につながるゴールを決めてみせる。

◆上月壮一郎の歩み

▽00年12月22日、京都府・宇治市に生まれる。京都アカデミー育ちで、U15、U18と順調に昇格。世代別日本代表にも選出される

▽18年 京都U18の一員ながら、高校3年生でトップチームデビュー

▽19年 京都トップチームへ昇格

▽21年12月 京都を退団し海外へ挑戦

▽22年2月 ドイツ5部デューレンに加入

▽22年8月 シャルケU23に加入

▽22年12月 シャルケのトップチームと契約