レアル・マドリードのブラジル代表FWビニシウス(22)が4日、スペインリーグで受けた人種差別的な侮辱について、発言者からの謝罪を受け入れない姿勢を示した。

ビニシウスはこの日、2月のマジョルカ戦で同FWに人種差別的な言葉を浴びせたとして告発されたファンの裁判で証言を行った。

ビニシウスはビデオを通じて証言。侮辱されたことに腹を立てており、他の試合でも同じことが起こっていると説明した。同FWの関係者によると、ビニシウスはこのファンからの謝罪には応じず、きちんとした処罰を望んでいるという。

名前は公にはなっていないが、このファンも法廷に立って証言した。地元メディアの画像には、裁判所を出る際に、顔を覆っている様子が写っていた。マジョルカの地元メディア「ウルティマ・オラ紙」によると、この20歳のファンは謝罪しているという。

このファンは別の試合でビジャレアルのナイジェリア代表MFチュクウェゼに対して人種差別的な中傷をしたことでも訴えられていた。

スペインの反暴力委員会はすでにこのファンに4000ユーロ(約58万円)の罰金を科し、1年間のスタジアム出入り禁止を言い渡している。マジョルカはこの人物のクラブ会員権を3年間剥奪した。

ビニシウスは、5年前にスペインに来て以来、侮辱にさらされてきた。マジョルカのファンに対する告発者として名を連ねているスペインリーグは、ビニシウスに対する侮辱行為について、当局に何度も正式な苦情を申し立ててきた。だが、そのうちのいくつかは“放置”されている。

スペインリーグは最近、ビニシウスがプレーする際、侮辱行為をする犯人を特定するために試合会場のモニターを増やした。だが同FWに対する攻撃は、ビニシウスがゴール後にダンスをするパフォーマンスを行うようになってから増えているという。

今年初めのアトレチコ・マドリードとのダービー前に、マドリードの橋からビニシウスの人形を吊るした犯人は、まだ見つかっていない。

バリャドリードは最近、ビニシウスへの暴言を調査している間、12人のシーズンチケット所有者をスタジアム出入り禁止処分にした。