スタッド・ランスの日本代表MF伊東純也(30)が惜しくも不発に終わった。

3-5-2システムの2トップで先発したものの、チームは不慣れな陣形を突かれて開始9分で2失点。4-2-3-1の右サイドに戻ると、リヨンも無理しない展開になったこともあり、安定し始めた。

その中で2度、伊東がネットを揺らす。ところがオフサイドで無効となった。

まずは前半40分、右サイドでロングボールを受けたSランスのMFアタンガナがドリブルで前進し、角度のない位置からニアサイド斜め左後ろにいた伊東へパス。これに右足をダイレクトで合わせたが、GKにはじかれる。そのこぼれ球を伊東が自ら右足で押し込んだ。

しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でアタンガナのオフサイドが確認され、1分後にゴールが取り消された。

次は後半24分。右のボックス内からDFブシがクロスを上げ、伊東が右足でシュートを決めたが、これもオフサイド。今度は自身がオフサイドを取られた。わずかの差で好機が認められず、上向くきっかけを失ったチームは敵地でリヨンに0-3で完敗した。

伊東も、同国における日本人シーズン最多得点記録を前節アンジェ戦で更新したばかり。今季6点目はルマンMF松井大輔(07-08年)の5得点を上回っていたが、今節は2戦連発とはならなかった。

試合後、認められなかった得点場面について、次の通り振り返った。

-前半、無効になったシュートについて

「いやー。でも、チラッと俺も横から見てたんで、オフサイドかなって、ちょっと思ってました」

-映像で見ると、人によってはオフサイドぎりぎりのラインだった

「あそこで1点入ってれば、まだ全然、試合は分かんなかった」

-あのシュートは気迫があった、リアクションが早く

「まあ、こぼれ球、ちょうどこぼれてきたんで。相手が早くて」

-サポーターら見ている側は「何で無効にするんだ」と悔しい思いになりますが、選手は引きずらないものか

「いやー、まあ、しょうがない。入った方がよかったですけど」

-後半24分には、迫力あるサイド攻撃、クロス、2次攻撃が続いた。再びネットを揺らしたが、あの2本目はすぐオフサイドと自ら分かったか

「全然、ポジションも分かってなくて。クロス、縦に抜けて上げてくれたのかと思って、ポジショニング取ってたんで。まさかループで上げてくると思ってなかったんで。まあ、それでポジションがオフサイドになった。まあ見えてなかったっすけど」

-今日の得点は無効になったが、自分で打ってやるという気概が、ここ2試合ほど強く感じられる

「最近(自分で蹴る意識を)前よりは積極的に…」

-自分で蹴った方が決まる確率が上がると。ここ最近の様子を見て思っている感じか

「いやー、まあ多少強引にいっても…」

(リヨン=松本愛香通信員)