<欧州CL:バルセロナ(スペイン)2-0マンチェスターU(イングランド)>◇27日(日本時間28日)◇決勝◇イタリア・ローマ

 太陽と海を満喫でき、独創的なガウディの建築に彩られたバルセロナ。そのサッカーは勝つこと以上に楽しませることが大事だ。磨き抜かれたパスワークで昨季王者を手玉に取って快勝し、グアルディオラ監督は「ファンに誇れる。最高にうれしい」と感慨に浸った。

 DFをかわし、GKの脇を抜いたエトー。体を力いっぱい伸ばし、頭で決めたメッシ。ともに素晴らしかったが、圧巻は巧みなボールキープと鋭いパスで2点を引き出した生え抜きのイニエスタとシャビだった。

 フィジカルを重視する現代サッカーで、バルセロナの下部組織は技術を徹底的にたたき込む。速く正確無比のパス、絶対に球を奪われない体の使い方。2人は相手を時に引きつけ、時に立ち止まらせる自在さでクラブの教えを体現した。

 国内3位に沈んだ昨季終了後に就任したグアルディオラ監督は、低迷脱出に強い信念を持って臨んだ。現役時代の自身と同じように下部組織で育った選手を中心にチームをつくり、利己的なプレーもあったロナウジーニョとデコは放出した。

 1-0のハーフタイムに、同監督はもっと中央から突破を仕掛けるように指示した。「思い描いた通りの追加点が入った。選手は言うことをすぐ理解し、実行してくれた」。かつてバルサのアイドルだった38歳の監督は、古巣を見事に復活させて胸を張った。

 [2009年5月28日10時10分]ソーシャルブックマーク