欧州主要リーグのトップを切り、9日からスコットランドリーグが開幕する。MF中村俊輔(30)を擁する王者セルティックは、リーグ4連覇はもとより、悲願の欧州チャンピオンズリーグ(CL)8強入りに照準を絞っている。過去2季は決勝トーナメント1回戦(16強)でACミラン、バルセロナの前に屈した。その悔しさをバネに、今季チームのテーマは「欧州で勝てるチームづくり」だ。

 チームは7月下旬からポルトガル、オランダへ遠征し、プレシーズン戦をこなした。そこで試したのが4-1-4-1システム。今年6月の欧州選手権に優勝したスペイン代表が、豊富な中盤のタレントを生かすべく採用した並びだ。エースFWヘッセリンクを1トップに、本来FWのサマラスを2列目へ下げ、マクギーディー、ドナーティー、S・ブラウンと絡ませた。3日のフェイエノールト戦では新システムが機能し、3-1の快勝。ストラカン監督は「実験は成功。今後につながる材料を見つけることができた」と話した。

 国内リーグは従来通り4-4-2で戦うが、欧州CLは中盤を厚くした4-1-4-1で勝負をかける。そこでパスセンスに加え、シュート力ある中村はトップ下起用が有力。内弁慶という汚名返上へ、中村を軸とした新システムが効果を発揮できるか。(アンソニー・マッカスカー通信員)