<スコットランドリーグ:レンジャーズ4-2セルティック>◇第4節◇8月31日◇英グラスゴー

 【グラスゴー(英国)=アンソニー・マッカスカー通信員】セルティックの日本代表MF中村俊輔(30)が、6日のバーレーン戦へつながる意地のゴールを奪った。レンジャーズ相手に1-4で迎えた後半ロスタイム、直接FKから今季初得点を奪い、一矢報いた。スコットランド移籍4年目で自身初の4失点。激しいタックルに倒され、フラストレーションのたまる状況で、自らの価値を証明する1発だった。

 屈辱的な展開にも、中村の頭は冷静だった。甘くなった壁のすき間を見逃さず、低く正確なシュートで「ほころび」を射抜いた。ボールは左ポスト際へワンバウンドし、ゴールイン。GKは1歩も動けなかった。「壁を越そうと思っていたけど、GKが(ニアに)動くのが見えたからね」と、ここぞの場面で「察知力」を働かせた。

 グラスゴーが誇る2大クラブのダービーマッチは、激しいタックルの応酬だった。イエロー8枚、レッド2枚が飛び交う、意地と意地の真剣勝負。敗れたとはいえ、バーレーン戦の「前哨戦」ともいうべき試合で、中村は緊張感たっぷりの90分を味わった。4失点を喫しての敗戦に「ショックのないチームなんてないでしょ。でも、自分のプレーはできている。ケガが軽くなって調子もいい。個人的には次につながる」。

 敗戦を受け、ストラカン監督は1日に全員参加の緊急ミーティングを通達。中村のバーレーン入りは、9月2日にずれ込む可能性が高まった。悔しさ半分、手応え半分。中村は気持ちを切り替え、いざ決戦の地へ向かう。