日本代表MF本田圭佑(23)が新天地・CSKAモスクワでの飛躍を誓った。3日、成田空港から自宅のあるオランダへ出発した。昨年末にオランダリーグのVVVからロシアリーグの同クラブへの移籍が正式決定。移籍金900万ユーロ(約11億7000万円)で年俸100万ユーロ(約1億3000万円)の4年契約となる。W杯4強への強い思いが、移籍決断の決め手となった。欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメントに進出している強豪の中でもまれ、W杯躍進の原動力となれるか。(金額は推定)

 新たな挑戦へ、胸を躍らせた。W杯南アフリカ大会を6カ月前にしての移籍は、冒険とも言えるが、強気の姿勢は崩さなかった。

 本田

 ワクワクしてますよ。W杯でベスト4を目指すのに、(VVV)フェンロに残る方が僕にとっては冒険です。自分をさらに高めるために、当たり前の選択です。長いスパンで考えてメンタルもフィジカルも技術も駆け引きも、すべての面でうまくなるための移籍です。CSKAのビデオは何本も見ているし、やれる自信はある。

 レギュラーが保証されていたVVVと違って、CSKAモスクワではゼロからの再スタートとなる。しかもチームは常に優勝を争う強豪で、各国代表クラスの選手がそろう。それでも本田はあえて、厳しい環境に飛び込んだ。

 チームは欧州CL決勝Tにも進出。2月24日、3月16日には8強入りをかけてセビリア(スペイン)と戦うが「移籍したいと思ったときは、チームが決勝トーナメントに入るとは思わなかったし、僕にとって欧州CLは1つのボーナスとして考えている」。すべては、日本代表の岡田監督が掲げた「W杯4強」達成への過程にしか過ぎない。

 帰国中は、岡田監督の手紙とチームコンセプトを説明したDVDを受け取った。「岡田さんは選手のモチベーションを上げるのがうまいですね」といい、体幹強化などの宿題を課されたことに「それは基本的な話です。詳しくは言わないけど、サッカーはそれ以外で決まる」と、ビッグマウスぶりは健在だ。岡田ジャパンでは、中村俊の控えに回ることが多いが、新天地でさらに力を蓄えれば、存在感は自然に高まっていくだろう。【盧載鎭】

 [2010年1月4日8時0分

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