<セリエA:インテルミラノ3-1カターニア>◇22日(日本時間23日未明)◇ミラノ

 インテルミラノの日本代表DF長友佑都(24)が、カターニアとのリーグ戦最終節で今季2点目を決めた。右サイドバックで先発し、後半18分に豪快に右足でたたき込んだ。29日のパレルモとのイタリア杯決勝へ、最高の形で臨むことになった。セリエAは今季全日程を終了。昨季15位から躍進した4位ウディネーゼが04-05年シーズン以来となる欧州CL予備戦出場権を獲得した。

 今季2点目を決めた長友が、うれしさを爆発させた。「ユートコール」が響く中、ルシオに飛びついて右手を高々と掲げてガッツポーズ。主将サネッティとはお約束のお辞儀ポーズで喜びを分かち合った。その後、ハルジャらチームメートにもみくちゃにされた。試合後には「このゴールを1年間、僕を支えてくれた家族、ファンの皆さん、被災者の皆さん、監督やスタッフにささげたい」と感謝の気持ちも忘れなかった。

 流れるような今季2点目に、1年間積み重ねてきたものが凝縮していた。左サイドバック(SB)のキブが前線へ放り込んだパスをくさび役のミリトが胸で落とす。中央のハルジャからルシオへとつなぎ、最後は右サイドを駆け上がった長友に。長友は右足で弾丸ライナーのシュートを決め「この1年の成長を感じる。ルシオを通ってパスが来ると思った。いいタイミングで上がったし冷静にDFを振り切れたと思う」と自らを評価した。

 「仮想イタリア杯決勝」で完璧な答えを出した。この日、家庭の事情で欠場した右SBマイコンは、29日のイタリア杯決勝も出場停止。これに備えて、本来の左ではなく今季3度目となる右SBでの先発で攻守に活躍した長友は「自信がつく。右でも左でも世界クラスのプレーができないとだめ。インテルというビッグクラブにいるので」と話し、29日も右での出場が濃厚となった。

 翌23日のイタリア各紙も長友に最高の評価を与えた。ガゼッタ・デロ・スポルト紙はチーム最高の7・5点をつけ、ラ・レプブリカ紙は2得点のパッツィーニと並ぶ最高点の7点で「右SBとしてチームMVP。これでイタリア杯決勝でマイコンの不在をレオナルド監督は感じないだろう」と記した。またコリエレ、トゥットの両スポーツ紙もいずれも7点と高評価を与えた。

 これで今季のセリエAでの戦いは終えた。だが最後の大仕事が待っている。長友は「ここまで来たら絶対優勝して皆さんの期待に応えたい」とイタリア移籍後初タイトルとなるイタリア杯での優勝を誓った。【波平千種通信員】