29日に来日した北朝鮮代表が30日、都内でチーム全体練習を行った。選手、スタッフを乗せたバスは、パトカーの先導で練習場に到着。練習は、機動隊を含め約80人の警察官が周辺を警備する中、メディアには非公開で行われた。終了後に取材に応じたFW鄭大世(27=ボーフム)によると、フォーメーションの確認など戦術練習やシュート練習などに汗を流したという。9月2日の日本戦は、W杯2大会連続出場を目指す北朝鮮にとって、勢いをつけたい大事な初戦。日本が優位とみられているが、鄭は「『窮鼠(きゅうそ)猫をかむ』というか、ネコがライオンにかみつくという試合にしたい」と死に物狂いの闘志で日本に立ち向かうつもりだ。

 日本の攻撃陣を支えるFW本田が、負傷のために出場が微妙になった。鄭は「もちろん本田ともやりたかったけど(川崎F時代のチームメートの)中村憲剛さんとの対戦の可能性が近づいたので楽しみ」。台風の影響で試合が翌日にスライドする可能性も出てきたことについては「それはどうしようもないこと。人事を尽くして天命を待つ、ですね」と受け止めていた。【松田秀彦】